竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

07参議院選分析・その6

2007年07月26日 | Weblog

さて、いよいよ東京選挙区の巻である。9条護憲という立場から見て、この選挙区はとても難しい。しかし、「平和への結集をめざす市民の風」の太田さん提案が、いちばん有効に活用できる選挙区でもある。当選する議席数が、今回から増えて4から5になったこともその一因である。

東京選挙区には、その5の議席をめぐって20人が乱立している。さぞにぎやかだろうと思われるかもしれないが、意外と静かである。20人のうち、本格的に選挙運動をしているのは8人くらいしかいないからだ。その8人を以下に並べる。

川田龍平、田村智子、杉浦ひとみ、大河原雅子、丸川珠代、山口那津男、保阪三蔵、鈴木寛の8人である。そのほかには、黒川記章やドクター中松という「有名」候補もいるが、まず当選は難しい。東京選挙区の当選ラインは最低でも60万票は必要だからだ。

前回2004年の選挙で、民主党は小川敏夫と蓮舫の2人を当選させた。それぞれ90万票以上を獲得した。今回もそのぐらいの勢いがある。しかし、民主党の候補者の1人、鈴木寛は明確な改憲派、日本会議のメンバーであったりするわけだ。

6月30日に書いたアメリカの新聞に従軍慰安婦問題で「事実ではない」という意見広告を出した、国会議員を含む恥知らずの日本人たちがいるが、本来であれば、ここに必ず名前が出ているはずの人物である。今回選挙に立候補する参議院議員はさすがに名前を出していない・・と書いたのは、まさにこの人のこと。

今問題の中国からの輸入食品ばりに、看板と中身に違いがある「入れてはいけない」候補なのである。この候補に集中するかもしれない100万票近くが、他の9条護憲候補に回れば、東京選挙区はとても良い結果を生むことができる。

東京選挙区で9条護憲と目されるのは、共産党の田村、社民党の杉浦、無所属の川田のほか、おそらく民主党の大河原。各週刊誌の当落予想を見ていると、5月頃は自民2人、民主2人、公明1人で、ほぼ確定無風のように書かれていたが、ここ最近はかなり違ってきている。社民党の杉浦は脱落しているが、ほかの7人が横一線。共産党の田村、無所属の川田にも当選の可能性ありと出ている。

「市民の風」流の考え方では、選挙区選挙では民主党に入れるな、民主党以外の有力野党に表を集中せよ・・ということだから、まさにそれが実践されつつあるのが東京選挙区かなと思う。

自民党候補では丸川がすでに脱落・・という雰囲気でマスコミでは報じられている。政治を語りながら、いままで投票権すら行使していなかったことが白日の下にさらされてしまったのでは、何を語っても白々しいだろう。本人も立候補の取り消しをしたいくらいでは・・と思う。

あとは「入れてはいけない」鈴木寛。この候補は前回選挙では76万票で当選している。今回は普通ならもっと上積みされて100万票近くに行くところだ。そこでちょっと待って!この上積みされる25万票プラスアルファが共産党と川田に配分されれば、この2人当選の可能性ががぜん高くなってくる。

前回2004年選挙では、自民党 101万票、民主党190万票、公明党80万票だった。公明党はその前の選挙は88万票で、東京選挙区では票を減らしつつある。今回も80万票くらいだろう。自民はとても100万票には届かない。うまく行ってくれれば2人落選もあり得るだろう。

共産党は2001年選挙では緒方靖夫が63万票を獲得して当選した。ただしこのときは、自民党が140万票を取って一人勝ち状態だった。2004年には共産党候補は45万票に減らしている。あと15万票は絶対必要。なぜ、緒方を出さなかったのか、もったいない人物であると思うが、新人田村も善戦している。

東京選挙区は無所属に有利な選挙区だ。2004年選挙では元都知事で「落ち目」の青島幸男が出て、約60万票を集めている。それでも次点で落選したが、今回のように5人区になっていれば楽々の当選だった。

今回の川田龍平は知名度では青島に劣るかもしれないが、若さと清潔さという点でははるかに勝っている。自民党は川田票を丸川に奪わせようという戦略だったようですが、丸川の清潔さは住民票問題で吹っ飛んだ。川田はHIVという難病をかかえて選挙に挑戦している。そういう意味では、無理が効かない身体。弱点といえば、これかもしれない。しかし政治は1人でやるものではない。逆に多くのサポーターがいて、たくさんの意見を反映しながら、独りよがりでない国会活動ができる、理想的な国会議員になれる・・ということかもしれない。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
じゃあ、誰に投票? (天使のくま)
2007-07-26 12:07:21
東京都民なので、この記事をとても楽しみにしていた。
で、結論から言うと、杉浦は難しいので、田村か川田ということになるのでしょうか?
個人的には、選挙公報や報道によって示された考え方としては、杉浦、次が田村と川田って思っていたものだから。
やっぱり、悩みますね。
返信する
緒方氏不出馬の理由 (南雲和夫)
2007-07-29 12:03:47
法政大学の南雲和夫です。

緒方靖夫氏が今回参議院選挙に不出馬だったのは、以下の理由からです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-11-17/2005111702_03_1.html

(引用開始)
日本共産党の市田忠義書記局長は十六日、国会内で記者会見し、〇七年七月の参院選に東京選挙区から三選を目指して出馬する予定だった緒方靖夫参院議員・党国際局長(58)が、目の難病のため、出馬を断念すると発表しました。会見には緒方氏本人が同席しました。

 緒方氏は、首都圏、関西の網膜症の何人もの専門医に診察・治療を受けたところ、視力が減退し、放置すると失明にいたる「加齢黄斑変性」と一致した診断をされました。一方の目に症状が出ると、もう一方の目にも症状がでる可能性が高い難病です。

 市田氏は「この病気は、太陽光線、紫外線、カメラのフラッシュ、強いライトに照らされることやストレスが病状に有害な影響をもたらすとされ、例えば街頭演説などができない。医師の強い勧告もあり、緒方氏からの立候補断念の申し出をやむなく了承した」とのべました。

 市田氏は「太陽光線や強いライトを避けるなどの制限を守り、可能な形を選んで対応すれば、仕事を続けることはできる。参院議員として〇七年七月の任期切れまで任務をきちんと務め、その後もこれまでのように国際局の活動や野党外交の仕事などを続けてもらう」とのべました。

 緒方氏は「この病気は原因も分からず、治療法もないので、診断されたときはおどろいたが、いまは目を大事に前向きに病気に立ち向かっていくという気持ちだ。参院議員としての残りの任期を、多くの有権者、支持者の要求を実現するため、ひきつづき一生懸命にがんばるとともに、その後も国際活動など可能な分野の仕事に全力をあげたい」とのべました。
(引用終了)

こういう病気にならなければ、緒方氏の再選もありえたと思います。
返信する

コメントを投稿