竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

岩国市長選の敗北をスタートに

2008年02月11日 | Weblog

1月末のブログで書いた二つの自治体首長選挙の結果は、二つとも敗北となった。1月27日投票、翌日開票の八王子市長選は84877票対63540で市民派で環境保護団体役員の橋本さんが破れ、昨日投票、即日開票の岩国市長選では米空母艦載機の離発着訓練の移転に反対した井原勝介市長(現職)が47081票対45299票の僅差で敗れた。1782票差である。

この結果を持って、日本の有権者の民意が低いという人もある。しかし、そうだろうか。八王子市長選では3選を果たした盤石の現職に対して、市民派候補が20000票差まで迫った。投票率が34.37%と低かったことから、投票率が10%、20%と上がっていけば、この20000票差が詰まる可能性もある。こちらは確かに民意が発展途上・・といえないこともない。

岩国は激戦、投票率も76.26%で八王子市の2倍以上だ。市民は動いたのである。そして僅差で大騒音の受け入れとアメリカの戦争への協力を選択した。井原さんは敗戦の弁で、離発着訓練受入れの是非という争点を相手陣営にぼかされたともコメントしたようだが、市庁舎建替え費用への交付金を法的根拠もなく強引にストップさせるという政府の手法に、岩国市民が屈服したというのが、今回の正しい読み方だろう。

民意が低いのではなく、考え抜いた末に「兵糧攻め」には勝てぬと判断した・・と。法的根拠もない兵糧攻めであるから、裁判とか国会での大論戦とかで覆せるかもしれないのだが、大論戦を展開するべき民主党が、この選挙にはあいまいなスタンスをとったことも、民意の判断に少なからぬ影響を与えたのではないかと推測する。

民主党は、井原候補の敗北に「自党候補ではないので大勢に影響ない」とコメントしたと伝えられる。実は今年に入って、大阪府知事選をはじめ、自治体首長選挙で民主党は負け続けている。大阪府知事選へのコメントでも書いたが、そもそも勝つ気がないらしい。あの大連立騒動から、どうも変なのである。

岩国では、もし仮にがっぷり四つに組んでいたら、1700票という僅差を跳ね返せただろう。1700票は1700人ではない。その半分の850人が立場を変えていたら逆転していたという数字である。あまりにも悔しい。

岩国の人々は、これから訪れる離発着訓練(夜間も)の大騒音に選択を間違えたことを悟るだろう。民意は死んだわけではない。厚木基地周辺の人たちが、長い長い裁判闘争で、この訓練を追い出したように、また粘り強い闘いがはじまるだろう。大騒音は被爆地ヒロシマも巻き込むはずである。広島上空を米空母艦載機が何度も旋回する構図をアメリカは忘れているらしい。

岩国の人々の怒り、ヒロシマの怒り、そして日本中の半基地の動き、アメリカの軍事戦略を日本に押し付けようとする意図に反対する人々を、これによって大量に作り出し、その心に火をつけていることに気がつくべきである。

民意が低いわけではない。民意が低いと油断して、強引な手法をくりだしている日本政府とアメリカ政府が、やがて手痛いしっぺ返しをこうむる。そんな大きな卵が生まれた、今日がそのスタートの日ということである。

日米関係は軍事同盟ではなく、経済や貿易や貧しい国への支援など平和的な協働による友好な関係に移行すべきであり、そういう日が一日も早く来るように努めることが政府の役割だと私は考えている。



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