・・・略・・・
「すでに1987年の時点で 農水省の研究を検討した各委員会が
フタル酸化合物の生殖毒性に関してもっと情報が必要だと訴えていた」とグウィン・ラインズは言う。
「特にフタル酸ブチルベンジルの精巣への影響に関するデーターの必要性が言われていました。
政府が指名した専門家たちは毒性データーの不足を重ねて認めながら
フタル酸化合物の暴露制限を前向きに検討する必要性を考えなかった。
そこで当然疑問がわいてくる。
なぜ農水省はこの物質の影響を徹底的に調査し
人体に影響を及ぼす最低値を確かめなかったのだろうか?・・・
農水省はこれらの化学物質について数多くの検査をしているが
政府の調査なのだから その結果はすべて公開されるべきであり
製品名と共に 検査対象となったすべての食品の詳細と
発見されたフタル酸化合物の値に関して すべて公開されるべきだ。
いったいなぜ 口先で安心だというばかりで
不明確な部分を明らかにしようとしないのか 理解に苦しむ」
農水省のスポークマンは『ホライズン』に対して「今すぐに関心を持つべき問題ではなく したがって
検査対象の製品について銘柄名を公表する必要はないとのことです」と答えた。
しかし このわずか三か月後 農水省はその隠蔽主義と秘密主義を糾弾(きゅうだん)する嵐に飲み込まれた
新型の狂牛病(牛海綿状脳症)にかかった牛肉を食べることで人間も感染するかもしれないというデーターを受けて
英国の食肉産業の崩壊を救う対策をめぐって ヨーロッパ各刻相手の熾烈(しれつ)な戦いがまだ終わっていないというのに
政府はまたしても民衆から攻撃の矢面に立たされた。
今回の騒動は 乳幼児用の粉ミルクからフタル酸化合物が検出されたというデーターをめぐってのことだ。
『デイリー・メイル』は「粉ミルクは汚染されている!」と大きく報道し
『インディペンデント』は「粉ミルクに性を変化させる化学物質」」
『ガーディアン』は「食品中に500万トンのプラスチックの危険」と書き立てた。
また『タイムズ』は「依然消えない粉ミルクの疑惑」ご控えめな調子で伝えた。
マスコミは 関係者の秘密会議や 性を変化させる化学物質の実態 赤ん坊への危険
政府のもみ消し工作など 何もかも一緒くたにまとめて報道した。
政府当局者はまたしても泥沼にはまり込んでしまった。
「英国中で販売されている代表的な銘柄の粉ミルクのすべてに
人間の生殖能力を損ないうる危険値の化学物質が含まれていた」と
『インディペンデント』日曜版が報告した。
「農水省当局者は製造業者らと秘密裡に会合し
化学物質の汚染源を調査するように求めた・・・・
検査対象となった粉ミルクの銘柄名や 検査結果の化学物質の値に関しては
乳児食および栄養食協会も政府も明らかにしない予定。
協会側はその理由を『企業秘密にかかわる』ためとしている」
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