わたしは 88才の爺である。死に装束も 大体終わっている。
未練も あまりない。たいていのことは やったから後悔もしていない。
めされたとき 数々の悪事を どう弁解するか いつも考えている。
過ちの源泉は 国家の政策を信じきってしまったことである。
正義というものほど 不正義の塊であったことも後日になって
わかったことである。
アメリカが日本を助けるという 大義名分はない。
アメリカの国益のためである。たから 気に入った政府を
作って、その政府を守ることで 中国などとのバランスをとろうとしてい
る゛。88年もだまされると たいていの根拠のないことは 信じなくなっている。
是は人間嫌いというのではない。庶民がつくうそは たいした影響のあるものではない。
なんたって 官憲がうそつきなんだから。総理がうそつくんだから。
だってそうでしょう。国の体制を揺るがすようなことを、国民にはぜんぜん知らせないで
アメリカの議会でぶち上げた。「私のこの政策は夏までには仕上げますよ。」
こんなはっきりしている アメリカ追随も『僧じゃない』と言い張るから
ますます信頼できなくなる。
明治維新が 偽者か本物か名度は愚にもつかないことである。
あの混沌とした 中でどうにか秩序を維持したのだからたいしたものだ。
庄内藩のお殿さまが西郷を訪ねて 佐津間までおいでになったとき
薩摩鼻の兵器倉庫を見てびっくりした。という逸話がある。
今では県民所得も下から数えたほうが多い薩摩の国だが
島津斉彬公のお国入りのときは 藩の金庫は売る追いまくっていた。
どうして、密貿易。それで明治維新の戦費をまかなったといわれる。
薩英戦争の英国からの賠償金は 全部幕府に払わせる。
そのうえ英国に多くの留学生を送り出す。世界万博には薩摩藩で
出品するわ、いい加減薩摩は江戸幕府を牛耳ったのか。
そんな維新に疑ってみたって 学問的には必要だが 庶民は
徳川300年の夢から日本人を目覚めさせたのはじしぜつである。まあ大阪維新
なんて子供のお遊びよ。松野君もいい加減維新から覚醒しないと。朱に交われば
赤くなるってね。