「選ぶならどっち!?」
「はっ?」
「究極の選択だよ!遠慮なく選べ」
「またぁ~!?」
「いいから選べ」
「はいはい」
「彼女が友達と遊びに行っても口出しせず、文句一つ言わない寛大な心を持つ西門総二郎か、彼女の言動を逐一チェックし、何もかもを把握したがる、束縛の強いストーカー気質の花沢類。お前ならどっちを選ぶ?」
「はぁ!?」
「どっちだ?」
「あの面倒くさがりな花沢類が、彼女の言動を逐一チェックするとは思えないんだけど」
「そんな細けぇ事はどーでもいいんだよ。いいから選べ。理解のある心の広い俺か、ストーカーチックな花沢類か」
「そんなの選ぶまでもなく、花沢類だよ」
「何でだよ!」
「束縛が強いって事はさ、それだけ彼女に執着してるって事でしょ?滅多に人に心を開かず、他人に無関心なあの花沢類が、そこまで入れ込むだなんて凄いよね。相当、彼女に惚れてるって事じゃない?」
「・・・」
「花沢類って、愛情に餓えてる気がするんだ。だから、自分が想いを寄せた相手にも、同じくらいの愛情を返してもらいたいんじゃないのかな?その辺を理解して付き合えば、問題ないと思うんだけど」
「・・・」
「何よ。その不満そうな顔は」
「不満『そう』じゃなく、しっかりハッキリ不満なんだよ!」
「何でよ?」
「全てを把握したがるんだぞ!?友達と遊んでても、5分に1回は電話してきて行動をチェックしてくるんだぞ!?息が詰まるじゃねーか」
「まぁね」
「だったら何で、大人な対応をみせる俺じゃなく、ストーカーまがいな事をする類を選ぶんだよ!」
「自分に自信がないから、束縛したがるんじゃないのかなぁ。だったらさ、これでもかってくらいにこちらが愛情表現すれば、多少は落ち着くんじゃない?自分だけ置いてきぼりされて、淋しいんだよ。ちゃんと『好きだよ』って言動で伝えれば、分かってくれるはず」
「・・・」
「てなワケで、私は花沢類を選びます」
「・・・」
「そもそもさ、花沢類以外に選びようがないじゃん」
「はあ!?」
「アンタ達F4の中で誰と付き合うかって聞かれたら、迷わず花沢類を選ぶよ」
「何でだよ!?」
「だって、ビックリするくらい私を理解してくれてるもん。こちらの気持ちを汲んでくれるしさ。それに、会話がなくても居心地悪くならないし。花沢類のあの独特な空気感が、何だか落ち着くのよねぇ」
「・・・」
「別に、究極の選択でもないよね?」
「ぐっ!」
「あのさ、口出ししないだの、文句一つ言わないだの、要は彼女に関心ないだけじゃないの!?もしくは、自分の行動に口を挟まれたくないから、敢えて何も言わないとか。つまり、浮気ありきの寛大さだよね、西門さんの場合」
「・・・」
「前にも言ったけど、こんなくだらない質問する暇があるなら、茶道のお勉強をしっかりしたら?若宗匠の呼称、弟さんに明け渡す羽目になるよ?」
「ぐはっ!」
「じゃ、バイトあるから行くね」
「・・・おう」
〈あとがき〉
まあ、こんなもんです(笑)
総ちゃんは一体、何がしたいのだろうか。