ろうげつ

花より男子&有閑倶楽部の二次小説ブログ。CP :あきつく、魅悠メイン。そういった類いが苦手な方はご退室願います。

ドンジリ 司篇(総+つく)

2020-04-26 09:36:40 | 短篇(花より男子)
「どうせまた、究極の選択でしょ?」

「うっ!」

「バイトの時間が迫ってるから、早くお題を出してよ」

「お題って・・・お前なぁ」

「するの?しないの?どっち!」

「しますします」

「じゃあ、とっとと始めてよ」

「へーへー」

「で?今回は何なの?」

「嫁姑の仲がすこぶる良好、旦那様も優しくいつも一緒で笑顔が絶えない西門家か、嫁姑の仲は険悪、旦那様も粗野で気遣い一つ出来ない多忙な道明寺家。お前ならどちらの家に嫁ぐ!?」

「う~ん」

「さあさあ、どっちだ!」

「道明寺家かなぁ」

「何でだよ!」

「仕事で行き詰まって旦那に相談したくても、多忙のあまりすれ違いばかり。何の相談も出来ない。そんな中、努力して頑張って自力で解決して、業績上げて結果を出したら、認めてくれそうじゃない?鉄の女って」

「・・・」

「例え最初は嫁姑の仲が険悪でも、仕事で成果上げたら多少は、こちらを見る目が変わりそうな気がするんだよね。鉄の女ってさ、実力主義的なところがありそうじゃん!?頑張って結果出したら出しただけ、心を軟化させてくれると思うんだよね」

「・・・」

「何よ!?その顔は。例によって、また不満でもあるの?」

「あるに決まってんじゃねーか!」

「何でよ」

「あのカーチャンだぞ!?旦那は珍獣だぞ!?家庭は寒々しいんだぞ!?それに対し西門家は、嫁姑関係もバッチリで旦那も優しく、何かあればフォローする。道明寺家とは雲泥の差じゃねーか」

「・・・あのさ、一つ忘れてない?」

「はっ?」

「本人の努力だけでは、どうにもならない問題が西門家にある事を」

「どうにもならない問題?」

「うん。それは、家柄、血筋、伝統。この三点セット」

「三点セット?」

「そう。結婚は本人達だけじゃなく、家と家との結びつきでもあるの。分かるでしょ?」

「まあな」

「何百年と続く名家なら尚更、家格を保つ事や血を繋ぐ事に必死でしょ。そんな所にポッと出の人間が嫁げる訳ないじゃない。そもそも、一門衆や後援会の人達が許さないわよ。私が西門サイドの人間でも許さないわ」

「・・・」

「それにさ、伝統を継承するって大変じゃない。すごい重責を担うじゃない。そんな旦那様を支える気骨は私にはないわ。無理無理」

「ぐっ!」

「日本の伝統文化は勿論好きよ!?次の世に繋げてもらいたいと思ってる。でもそれは第三者的な見解であって、実際に自分が中に入ってその一旦を担うとなると話は別。私には荷が重い」

「・・・」

「てな訳で、道明寺家を選びます」

「・・・結婚するならあきら、付き合うなら類、嫁ぐなら道明寺家。じゃあ、俺は何の対象になるんだよ!?」

「う~ん。単なる先輩後輩?」

「はっ?」

「だってさ、西門さんと仲良くしてるだけで刺されそうだもん。西門さんが付き合ってる数多の女性達からさ。刃傷沙汰は絶対イヤ!トラブルに巻き込まれるのも絶対イヤ!だから───」

「だから?」

「必要以上に話しかけてこないでね。じゃ、行くね」

「・・・」



〈あとがき〉

拙宅での総ちゃんの扱いは、こんなもんです(笑)
短篇を書くと、どうしても総ちゃんがこんな扱いになってしまうんですよね。
書きやすいと言うか、何と言うか(笑)
このシリーズは、これにて完結です。
ありがとうございました。