室町時代の銅造千手観音菩薩立像です。
明治時代の作と思われる木彫の光背・蓮華座が美しく引き立てています。
仏像は愛らしく、小仏ながら顔の表情まで丁寧に表現されています。古銅の味わいが魅力的です。
光背や蓮華座等の表現は精緻で、彫りは力強く巧みです。迫力があり、エネルギーに満ちています。
光背・蓮華座等の台座を作った作者(おそらく仏師)は、この仏像の美しさに感銘を受けて制作に臨んだと思います。
時代を越え、作者同士の心が繋がって出来上がった美しい表現と言えましょう。
座辺に置き、見つめていたくなる仏像です。
眺めていると、静かな気持ちになれるでしょう。
■千手観音菩薩像とは、千本の手のひらにひとつずつ眼があり、この眼があらゆる生き物の願いごとをひとつ漏らさず見とどけ、
千本の手に象徴されるあらゆる手段でそれらをかなえてくれる仏です。ここでの「千」というのは具体的な数字ではなく「無限」という意味で、
救済の能力と手段を無限にもち合わせていることを意味します。
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