長い間商売をしてきた。その中で何回か「勘定足りて金足りず」ということを経験してきた。そのたび、自己資金で補充したり、調達したりしてこなければならなかったことである。「それじゃ、黒字倒産と同じことじゃないか。」と言われた事もある。在庫や売掛金が多くなってしまって支払いに間に合わないと言うような現象のことである。
今日の経済的な状態を見ていると「勘定も足りず、金も足りず。」と言う所が多いらしいが、すべての会社そうだとはいっていない。多くの会社が儲けもないし金も無いと言うことになる。
その上に銀行さんたちも株価の低下による評価損を計上しているので赤字になっているようだ。勢い貸し出すお金が少なくなる。結果的に貸し渋りと言うことになる。知り合いの所でも返済を迫られているらしい。政府保証枠で今のところ何とかなっているらしいけれど、・・・。
過剰生産になったものを安売りしたり現金化したりしなければならないのだ(別の表現をすれば、在庫調整、勢いデフレ傾向になる。)。その上に、劣化した資本の補充をしなくちゃならないことになる。
経営者にとってはまことに頭が痛くなる。そして、この状況はすぐに回復するとは思えない。なんといっても、この国は外国の消費に頼る所が大きい。諸外国の消費が回復しなければ景気は回復しないだろう。幾分回復基調にあるらしいが(中国経済が堅調であるらしい。それも大きな所が先で中小に回ってくるのはもっと先になるだろう。)
もとの状態になるまでには相当時間がかかるし、もとのままでよいわけが無い(証券化商品や金融派生商品に対する反省とパラダイムシフトが必要。)。長引けば長引くほど矛盾が再び顕在化してくるだろう。しばらくの間体力のない中小業者が淘汰されていくことになるだろう。
産業の質的転換が必要である。
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