歴史とドラマをめぐる冒険

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鎌倉殿の13人・源義経の鎌倉攻略計画は新田義貞のものに非ず。

2022-05-23 | 鎌倉殿の13人
変な題名ですが、「ジンギスカンは義経にあらず」という大正13年に出た本の題名のパクリです。大正13年に義経ジンギスカン説がブームとなり、それを「いさめる」ために書かれた本です。

まあ新田義貞の作戦に似ているし、「新田義貞のもの」でもいいのです。ただし難癖をつければ「新田義貞は船を持っていなかった」はずです。刀を持って海に祈ったら、海の水が奇跡的に引き、海岸を馬で渡って鎌倉に乱入した、、とまあこれも「伝説のたぐい」ですが、そうなっていたと思います。

陸上に敵を引き付けて、船を使って長距離移動し、敵拠点を攻める。「これをやられていたら、とても勝てない。」「鎌倉は間違いなく滅びていたことだろう」。

それで私が思いつくのは幕末の幕府対官軍の戦いです。「花神」という作品でおなじみです。「花神」は三谷さんが好きな大河の筆頭として挙げている作品です。

結論から言うと、新田義貞の作戦とは船を使う点で違っている。これは江戸幕府の京都攻略計画である、ということです。

官軍は東海道を主力部隊として江戸に攻めてきました。それを「箱根の関」で足止めする。さらに海軍を回して官軍に艦砲射撃を加える。

そして海軍主力は、船に幕府歩兵を積んで、大阪湾に向かう。官軍の兵は関東に出払っている。上陸を阻めない。そこから京都を攻めて、官軍政府をせん滅する。これが幻の「京都攻略計画」です。

実際に計画されたようです。しかし軍事的に一回は勝てても、政略的、政治的に勝てないと時局を洞察した徳川慶喜によって退けられています。

これを知った長州の天才的軍略家(花神の主人公)、村田蔵六はこう言ったといわれています。

「これをやられていたら、官軍はとても勝てなかった。京都は陥落しただろう。」

このセリフは今回の梶原景時のセリフとそっくりです。いろいろ書きたいこともあるのですが、とりあえず以上です。

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