Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

国立歌劇場「エレクトラ」31.10.2007

2007年11月01日 06時58分31秒 | Weblog
今日はもう一人のタンデム相手ソニアさんに来てもらいました。彼女は今年の夏、しばらく東京に行ったそうで、言葉は出てくるのですが、日本語で話すことにかなり緊張するらしく、それに慣れたいのだそうです。ドイツ語の教え方を見ていると、相当頭のいい子のようです。(写真撮るの忘れました)

今後日本から来るみなさんのウィーンガイド(もちろん日本語で)をお願いしましたので、(だって日本語しか話せないみなさんと一緒だと、絶対日本語力が上がると思うので、協力よろしく)ウィーンに来たら、必ず1回2時間ほど、市内を一緒に歩いて、カフェにでもいってくださいませ。

さて、今日はリヒァルト・シュトラウスの「エレクトラ」を見てきました。1時間45分、休憩なしもしんどいけど、血縁関係をまさしく血で血を洗うような内容もかなりしんどかったです。シュトラウスのハードボイルド版でした。帰りに遠回りして頭も気持ちも冷やさないと帰れなかった。エレクトラの妹役でドゥスマンが出ていました。この人はデビュー前から発表会とかで折りあるごとに聞いていますが、貫禄が出て上手くなっています。そのうちワーグナーとか歌ってるんじゃないかと。年末のこうもりでロザリンデを国立歌劇場で歌う予定です。

また、母の役をアグネスバルツァがやっていました。やはりこの人はすごい!と思いました。だって、客席に背中むけてるのに、すごい顔してるんだろうなぁ、すごい顔でエレクトラを睨んでいるんだろうなぁって想像できる背中でしたから。最後に見えないところで殺されるんですが、断末魔の雄叫びだけ聞こえる。それだけでも背中ぞっとしました。こんなシュトラウスの曲、ぱっと見て歌えるモンじゃありません。だから楽譜も丁寧に見ないと手の内に入らないし、もしかしてこの人、相当な努力家なんじゃないだろうか?と思ってしまいました。音楽や息継ぎに引きずられることなく、動いている。つまり不必要な動きが一切ないのです。ドイツ語が母国語のドゥスマンでさえ、リズムと言葉がいやらしいところは顔を動かさないと歌えないのに(まあ、彼女は前からそういう癖もありましたが)、バルツァにはそれが一切なかった。やっぱりすごいわ。

指揮 Michael Boder
クリナムネストラAgnes Baltsa
エレクトラ Deborah Polaski
クリソテミス Silvana Dussmann
エギスト Michael Roider
オレスト Ain Anger
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4 コメント

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その昔 (s3)
2007-11-01 07:26:29
その昔一人で立ち見の切符買いエレクトラみた ことおもいだします
途中休憩もなく立ち続け
歌手の人はすごいとただ関心
でも母の背中とかコメント読んでると何にも見ていなっかたと、、、、、
舞台は確か3本のロープがぶらさがっているだけでしたが
どんな舞台でしたか?
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たぶん同じです (はに~)
2007-11-01 15:32:56
舞台に大きな大きな膝から下だけが見えるような銅像があります。それにロープが何本が下がっていて、そのロープを使って歌っている部分が多いので、その印象だけ残っているんだと思います。よくこんなの見ましたね!確かに並大抵の体力ではできませんね。エレクトラなんか、最初男みたいでしたモン。
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観てみたい (じゅんな)
2007-11-02 23:52:20
アグネスバルツァその歌唱力、演技力観てみたいわあ~今、自分が、台本片手に与えられた役を研究しているところだから、よけい興味ありますね。
不必要な動きが一切ないって
役を演じる上で、そこまでいきつくのが理想ですね~

来春、ぜひぜひタンデムの方と会いたいです♪
よろしくね~
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バルツァ (はに~)
2007-11-03 04:47:52
彼女は若いときからずっとスターでしたが、声が普通ではない(癖が強すぎる)ことから、いろいろな批判も受けながらここまできました。歌や演技もとてもステキですが、若い人を応援する姿勢や、故郷ギリシャの歌を広める活動なども積極的にしているようで、そのあたりも好感が持てます。
バルツァだけでなく、こちらのオペラ歌手の演技力には驚きますよ!
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