シューベルトはよくご存じだと思いますので、
フーゴ・ヴォルフについて少しだけ。
オーストリア×日本の国交150年記念カウントダウンコンサートですから、
オーストリアの作曲家を選んで、その中から作品を歌います。
なので、ヴォルフもオーストリア人というわけですが、
生まれたのはオーストリアの南、現在のスロヴェニア。
ただ、当時はハプスブルグ家の範囲だったし、通った学校もウィーンだし、
住んでいたのも近くだし・・・世間的にもウィーンの作曲家として有名です。
ブラームスなんかは、晩年ウィーンに住んでいたけど、ドイツ人作曲家と言われますよね、違いはどこにあるのでしょう?
さて、そのヴォルフですが、趣味で声楽をするには、ちと扱いずらい作品が多いです。
なので、私も日本の大学を卒業する頃1~2曲手を出した記憶があるだけで、(それだけでも当時はめずらしかった)
ウィーンに行ってからも、授業で扱わないといけなかったので既定の15曲だったかを譜読みしましたが、
その頃は「おもしろくない~」「歌いずらい~」という感じで、まったく魅力を感じとるとこができませんでした。
ヴォルフの記憶といえば・・・
時々ワインを飲みに行っていた村に、彼の家があったということくらいで・・・
もちろん、作曲家の家よりも、ワインのほうが魅力的だったことは言うまでもなく、
せっかくウィーンにいたのに、お近づきになれなかった作曲家の一人です。
で、今回シューベルトも中田喜直の作品だけだと、自分の中できれいすぎて飽きがきそうだったので
どろどろしたのを入れたくて、ヴォルフに20年ぶりに手を出しました。
(実は二度と歌うことはないと思っていました。)
ところが、今回、20年ぶりに手を出してみて、ありゃりゃ?
歌えるっぽいです。ぽいって変な書き方ですが、昔よりずっとよくわかる!
詩の内容も理解できるし、その言葉にあわせた、当時奇妙にも思えた音階や音程がしっくりきます。
あ~この人の曲は、言葉がわからないと歌えない歌なんだわ~と実感しました。
でね、言葉わかると、その言葉どおりにしゃべっていれば歌えちゃったりしてます。
どれくらい深~く、ほじくれてるのかは、もう少し後のお話だと思いますが、
ヴォルフだから歌いにくいという感じはなくなりました。
40代でライン川に身を投げて、その後、精神を病んで(病んだから身を投げたと思うけど)そっち系の病院に入り数年後に亡くなったのは
ロベルト・シューマンでしたが、
同じく40代で、ザルツカンマーグートのトラウン湖に身を投げて、同じくそっち系の病院に入り数年後に亡くなったのが、ヴォルフです。
どっちの作品も、同じ系統の神経質さというか、線の細さを感じます。
ヴォルフが湖に身を投げたのは、オーストリア海ないし、普段はドナウ川でおぼれそうに感じないので・・・かな?
ということで、3回目の合わせ行ってきます。