ウィーン西駅からローカル電車に乗って約40分。ノイレングバッハという駅で降りたら、車で迎えに来てくれていました。そこからさらに徒歩なら40分、車で10分ちょいに、クリスチャン君の住むマーカースドルフという街があります。
街、いや村ですわ、村。ちょうどクリスチャン君の首のあたりによこたわっている100軒ほどの村。これがマーカースドルフです。彼の家族、おばあさん、おばさん、みんなここに住んでいて、おばあさんは、村人ほとんど知り合いだそうです。
この村を見下ろす形で教会があるのですが、13世紀の建築様式で、オーストリアには今この様式の教会は3つしかないそうです。
さて、12時に教会の前から始まったラーチャーブーベン(ラーチェンする男の子という意味です)は、一軒ずつ回りながら降りてきます。なんでも、明日はキリストが死んだとされている日になりますから、その3日後に復活するまで、村の教会の鐘はローマに飛んでいくんだそうです。(そこに鐘見えてるけど、飛んでいっているらしい。)で、鐘さえ鳴らしてはいけない時期にあたるらしく、鐘の替わりにこの「ラーチェン」という道具で音を立てるそうです。
この「ラーチェン」音をお伝えできないのが残念ですが、すごいです。まわして音を出しているのですが、その時は自分がしゃべっている声が聞こえないくらいです。村の男の子だけがこの「ラーチャーブーベン」の資格があり、何回か講習を受け、数年間(クリスチャン君は6年間、弟君は7年間、今年はいとこ(下の写真)がメンバーに入っているそうです)その任務を行うそうです。
オーストリアに何年かいても、ウィーンでこんな行事見たことないし、まだまだ小耳にさえはさんだことがないようなことがたくさんあるんだなぇと思いました。本当に初めて見ました。
少年たちは家にやってきて、呪文を唱えるかのように「なんとかマリアのために~ラーチェンさせていただきま~す」みたいなセリフを言って、まわし始めます。一番大きな子が膝をくっと曲げると、全員がさっとやめる。これを数回繰り返します。
実は今日、本当は明日しかしない方のバージョン(長いセリフと片膝で回したりする)も、内緒でやってくれました。あっという間でしたが、おもしろかったです。
その後は、クリスチャン君のおばあさんの手作りの品を数々ご馳走になりました。食事というより、おやつが中心でしたが、ご紹介しようと思います。ちなみに全部手作りです。←この意味絶対通じてないと思います。では!
クッキーはもちろん手作りですが、ジャムも手作りです。そして、ジャムの果物も庭でできた果物です。(アプリコットと、黒スグリ)だから全部手作りです。
オーストリアの有名なおだんごで、果物を入れたものです。普通はアプリコットが多いのですが、今日はイチゴと写真のプルーン(もちろんどちらも庭でできたものを冷凍保存)、そしてなんとモーツァルトチョコの入った団子まで出てきました。(おいしいので食べちゃった)食べすぎかなぁと思いながらも、気がついたら7個いってました。
その他にも、レーズンやクルミの入ったお手製パンや、手作りレバー団子のスープなどを出してもらいました。
これがそのおばあちゃん。クリスチャン君に「おばあさんがこんなにお菓子上手なのは、この村では普通?それともおばあさんが特別?」と聞いてみたのですが、こういう田舎のおばあさんは普通につくっちゃうらしいです。今私の近くで、おはぎや、わらびもち、草もち手作りできる人どれくらいいるだろう…と、ふと思いました。
そして帰りにはイースター用のお菓子までいただいて帰りました。中はウサギのチョコレートと、タマゴのチョコレート、おばあさんお手製のジャムなどが入っています。写真をよ~く見てください。かごの中に(左右の下のほう)ひいてある草ありますよね?これもお菓子だそうです。クリスチャン君に日本語で「草食べてください。」といわれました。冗談かと思ったんですが、おばあさんも真顔でした。しかたがないので、「わかりました。日本人は野菜大好きですから。」と返しましたけど。本当に食べられるのかちょっと不安です。