アノネ ( ^o^)y(δ_δ) きょうね

繰り返される毎日
でも全てが一期一会
さて今日はどんな出会いがあったでしょう

映画 『おくりびと』を観てきました

2009-03-25 | 家族・暮らし
アカデミー賞外国語映画賞に輝いて話題の『おくりびと』を観てきました。


10数年前、俳優の本木雅弘さんが旅先で遭遇した<この世の旅立ち>の儀式に感銘を受け、以降、秘かに彼は納棺とそれを職業とする人々に興味を抱き続け、この作品になったそうです。


私は小説で読んでいたので 映画を観るのは我慢していましたが、観たいというお友達の声に すぐ同意。




オーケストラのチェロ奏者という仕事を失い、故郷へ戻り仕事を探します。

『年齢問わず、高給保証。
実質労働時間わずか。
旅のお手伝い。』

という求人を目にして 思いもよらずついた仕事が『納棺師』。


今まで身内を何人かおくっていますが、このような仕事があることに気付きませんでした。
心をこめた様式美というのでしょうか、ほんとうに美しい。
行為というか動作というか すべてが故人への尊厳と愛しみを感じさせます。
亡くなった人の生きてきた日々を尊重しておくりだす。
このような文化をもつ日本に産まれたことを誇りに思いました。
全ての人が このようにおくりだしてもらえるといいなぁ。




昔々、母の兄が若くして亡くなった時のことを母から聞いて忘れられないことがあります。
時折思い出しては その時の母の気持ちとその情景を想います。
それは 70年ほど昔のことです。
母の父親が 母のお兄さんを湯灌(ゆかん:納棺の前に遺体を清めること)している時の様子を話してくれたのです。
亡くなった長男を抱きかかえて清めながら「今度生まれてくるときは丈夫な体をもらってこいよ・・」と涙を流しながら 優しく丁寧にさすっていたというものです。
昔は家族がしていたことなんですね。


さまざまな死があります。
さまざまな家族模様があります。
それらに向き合うことで、そこに息づく愛の姿を 所々に笑いを交えて伝えています。

チェロもモックンが弾いています。
プロが聴いても素晴らしい演奏だそうです。
納棺師の仕事もずいぶん練習を重ねたそうで、さすがでした。
アカデミー賞をいただいたときのお礼の(?)色紙の文字も素晴らしかったし、彼の人柄というか生きざまにも感動があります。


是非、お薦めの映画です。