郵政民営化反対論 1月18日

通常国会召集を前に、郵政民営化の議論が、特に与党内で白熱してきた。竹中平蔵大臣は、小泉総理の“特命”を受けて、民営化の意義を説いて周るのに躍起だ。運命共同体である2人だけに、息もピッタリというところか!?

片山参院自民党幹事長は、民営化における持論(妥協案)を唱え、与党のオピニオンリーダーになろうとして懸命だ。民営化に対する小泉総理の信念が、スローガンだけの極めて曖昧な中、それを良いことに与党内では、表面だけの改革案が横行し始めている。郵政事業で最も肝心な、特殊法人への資金の流出を食い止めるための思い切った改革は、現在のところ封じ込められたままだ。特殊法人の全廃の方針は既に決定しているはずなのに、一向に削減される様子はない。

私は、当初から公社化にも反対したくらいで、民営化には当然反対している。財政投融資という出口の部分を、きちんと整理できさえすれば、郵便局員は、住民の全幅の信頼を得続けるために、公務員である必要があると感じている。役場など自治体職員はお金を生まないけれど、唯一郵便局員だけは、走れば走るほどお金をうみ出す公務員なのだ。

昨年の8月9日に簡単にまとめた、私の郵政民営化反対論を、もう一度ここに掲載する。

(はたともこ日記2004.8.9 該当部分)
国土の7割を過疎化が進む中山間地域で占める我が国は、今、その中山間地域における郵便局の果たすべき役割は、非常に大きくなっています。1人暮らしの高齢者の安否確認の作業は、その多くを郵便配達の方々が担っているという実態をご存知でしょうか?配達員の方々は、郵便物がなくても、「変わりはないか?」と独居家庭を尋ねてまわります。地域で信頼される方々だからこそ出来る技です。場合によっては、歩行困難な高齢者の所用を、代わりにこなすこともあるでしょう。郵便配達の方々は、田舎に暮らす一人暮らしの高齢者から、誰よりも信頼されていると言っても過言ではありません。

また、市町村合併が進むと、役所の数も削減されます。そうなると、特に中山間地域では、郵便局に役所の業務を委託する必要性が益々強くなります。一方、合併を選択しない町村では、生き残りをかけ、行政のスリム化が必須です。役所の職員の数を最低限に抑え、頭数ではなく、知恵と頭脳で大きな成果を挙げることを追求していかなければなりません。

役所がスリム化する分、郵便局や消防団がこれまで培った信頼と実績を生かし、住民自治のキーステーションへと転換していくことを、私は期待しています。それには、郵便局員は公務員のままのほうが良いと思うのです。小泉総理は、都市部にしか目が届いていないように思います。問題は、日本の緑を支える中山間地域の保全です。介護保険でヘルパーさんに安否確認を依頼すれば、費用がかかるけれど、郵便局の配達員さんによる安否確認は、助け合いの精神によるサービスです。その姿は、立派な公務員です。

合併を選択しない町村には、地方自治特区として、ボランティアによる議会を認めるべきだと思います。議員が職業であり高い報酬をとっている間は、真に住民本位の活動が行われるとは思えません。議員はボランティアとし、週末あるいは夕方から議会を開催すれば良いのです。

中央集権から地方分権へと時代が動いていく中、それぞれが自立した自治体であるために、行政コストの削減は避けては通れません。しかし、行政サービスを同時に低下させないために、郵便局に多面的機能を持たせることが必要なのです。

郵政の一番の問題点は、郵貯・簡保の財政投融資です。郵政の融資部門に政府出資が続く以上、国民の郵便・簡保は、いつまでも財政投融資にまわされ、特殊法人やムネオハウスのようなムダなODAへとつぎ込まれます。郵貯・簡保改革で真っ先にやらなければならないことは、その出口である特殊法人の全廃です。

小泉総理の特殊法人改革は、残念ながら0点です。民主党政権になったら、即座に特殊法人は全廃すべきです。小泉総理は、郵政民営化においても、ミスリードしています。結局は、縦割り行政から抜け出せないでいるのです。都市部と違い中山間地域は特に、総務省も郵政省も国交省も厚労省も農水省もあらゆる縦割り行政のすべてを一元化して、効率の良い行政を目ざす時が来ていると、私は思います。その意味で、その中核を担って頂きたい郵便局員の方々は、公務員であるほうが良いと考えているのです。(以上)

民主党は、郵政民営化法案には反対しているが、労働組合による既得権益堅持の感が非常に強く、国民に対する説得力は今ヒトツだ。そんな中、川内博史衆議院議員が、独自の「郵政公社パワーアップ論」を打ち出した。非常に魅力的な提案であり、私の思いが十二分に反映された内容だ(と勝手に思っている)。明日にも代議士本人のホームページにアップされると想像されるので、ここでの紹介は控えたい。

民主党は、労働組合に依存することなく正面切って住民本位の論陣をはり、郵政改革に名を借りた真の行財政改革を実現すべく、力強く取り組んでもらいたいと、強く願う。
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