先日、図書館に行ったら真新しい文庫版『ノルウェイの森』が
新着コーナーに鎮座しているのを発見、すぐに借りました。
数十年前のベストセラーですが、今まで読んだことがなかったのです。
村上春樹さんの本は『1Q84』と短編を少し読んだ程度で
まったく詳しくありません。
さて…『1Q84』でも感じたことですが、登場人物の思考回路や行動に
まったく共感できず、しかしリアル芸術家の系譜を辿ったりすると
もっと奇行に走る場合もあるので(ダリとか)、そういう視点で読み進めました。
うん、少しシュールレアリスムの絵を鑑賞したような、少し清々しい
置き去り感があります。
登場人物はどこにも属しておらず、分断された世界と価値観の中で
頑ななまでにマイペース。そして、主人公にかかわる多くの人間が
自死という形でこの世から姿を引き取っていきます。
ふと思い出したのが『めぞん一刻』。
あれも登場人物は皆自己中心的で、身勝手で、マイペースで、
主人公は彼らの強力な個性に翻弄される話でしたが、
殆どのキャラクターに共感ができたんですね。
『めぞん一刻』が互いに強い関心を持った、共存性の強い話だとすれば、
『ノルウェイの森』は諦観を底に秘めた、乖離性の強い物語ともいえます。
それは1969年の時代を生き抜いた、村上氏独自の諦念、無気力感、
飽和、散乱した思考の結晶の一部なのでしょうか。

大雪のため、久々に自宅に引きこもり、10冊以上の本を読みました。
雪は遠くから眺める分には美しいけれど、接近は遠慮したい対象のひとつかも…。

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新着コーナーに鎮座しているのを発見、すぐに借りました。
数十年前のベストセラーですが、今まで読んだことがなかったのです。
村上春樹さんの本は『1Q84』と短編を少し読んだ程度で
まったく詳しくありません。
さて…『1Q84』でも感じたことですが、登場人物の思考回路や行動に
まったく共感できず、しかしリアル芸術家の系譜を辿ったりすると
もっと奇行に走る場合もあるので(ダリとか)、そういう視点で読み進めました。
うん、少しシュールレアリスムの絵を鑑賞したような、少し清々しい
置き去り感があります。
登場人物はどこにも属しておらず、分断された世界と価値観の中で
頑ななまでにマイペース。そして、主人公にかかわる多くの人間が
自死という形でこの世から姿を引き取っていきます。
ふと思い出したのが『めぞん一刻』。
あれも登場人物は皆自己中心的で、身勝手で、マイペースで、
主人公は彼らの強力な個性に翻弄される話でしたが、
殆どのキャラクターに共感ができたんですね。
『めぞん一刻』が互いに強い関心を持った、共存性の強い話だとすれば、
『ノルウェイの森』は諦観を底に秘めた、乖離性の強い物語ともいえます。
それは1969年の時代を生き抜いた、村上氏独自の諦念、無気力感、
飽和、散乱した思考の結晶の一部なのでしょうか。

大雪のため、久々に自宅に引きこもり、10冊以上の本を読みました。
雪は遠くから眺める分には美しいけれど、接近は遠慮したい対象のひとつかも…。

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