11月11日の夜、三菱一号館美術館で開催している「ルドン・ロートレック展」に行ってまいりました。
毎月第二水曜日の17時以降は、マジックアワーチケットが販売されます。
通常チケット料金2,000円のところ、1,200円になりお得なのです。
ですが、今回印象に残ったのはルドンでもなく、ロートレックでもなく…。
山本芳翠《浦島図》
なんというか・・・会場内で最もインパクトがある絵でした。
日本画でもなく、西洋画でもない。
最初に「インド絵画?」と思いました。
浦島の顔はあどけなさを残しているのに、亀を踏みしめる足は妙に年季が入ってがっしりしています。
周囲の美女や子どもたち、老人が妙に明るい表情なのに、浦島は憂い顔で乙姫の方に視線を流しています。
空は荒天。今後の運勢を暗示しているかのようです。
私は山本芳翠を知らなかったのですが、
パリで修行した時に描きためた絵(300~400枚)を
洋艦「畝傍(うねび)」に乗せた時、その艦が消息を絶ち
絵がすべて失われてしまったらしいのです。
どんな絵を描いていたのか、観たかったですね。残念。
あと藤島武二もローマ滞在中に盗難で殆どの絵を紛失したそうです。
現存する《浴室の女》⇓が見られて良かった!
それにしても。
ふたりとも、どんだけ盗難の神に愛されているのだ。