よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

極東シベリア紀行ー③バイカルアザラシとバイカル湖

2016年08月29日 | 旅行
日本人墓地を見学し、市場をひやかした後、バイカルアザラシのいる博物館へ向かいます。





館内はフラッシュ禁止なので、コンデジでは綺麗な写真は撮れません。

普通のアザラシよりも、だいぶおデブちゃんです。
寒冷なバイカル湖で過ごすために、たっぷり脂肪を蓄えているらしい。

逆立ちすると、首周りにお肉のくびれが年輪のようにたくさん刻まれ、それが何とも愛くるしいのです。

私に限らず、日本人は、丸いものが好きだと思います。

ドラえもんもキティちゃんも、みな丸っこい。
蚊トンボのような細身キャラはあまり好まれないようです。
それにしても、まんまる!誰かが「フグみたーい」と歓声をあげていました。

その後、昼食です。






ニンジンに覆い尽くされた「オームリ」とマッシュポテト。
オームリは、バイカル湖に住む淡水魚です。地元の名産だそうです。




そして、バイカル湖クルーズ。




私たちのツアーが貸切で乗船します。




湖水を渡る風はかなり冷たく、寒いくらいです。

この湖の面積は、琵琶湖のおよそ47倍もあり、ほとんど海のように見えます。
世界の淡水のおよそ20%はこのバイカル湖が占めるそうです。

世界で最も透明度が高く、天気の良い日には水深40mまで見通せるとか。
古代湖であるため、ガラパゴスと比肩するほど貴重な動物が棲息しているそうです。


この後、展望台へリフトで上ります。





展望台から見えるバイカル湖。
ここは、非常に寒かった!
長袖のカーディガンの上にウインドブレーカーを着こんでも、まだ寒さが身に沁みました。

足元が悪いごつごつした岩場でしたが、宗教絵画のような深みのある眺望を堪能しました。


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極東シベリア紀行ー②シャーマンの岩

2016年08月28日 | 旅行
ロシアの入国審査は、とにかく時間がかかります。

2人の係官が旅行者ひとりにつき、3~5分かけてチェックするのですから、
70人を通過させるまで、どれほどの時間を費やしたことでしょう。

日本との時差はマイナス1時間。現地時間で午前1時に部屋に入れました。
そこから洗濯を始め、シャワーを浴びて午前2時に就寝です。





ツインルームでした。
意外にもスリッパ、歯ブラシセット、ガウンまでついていました!
海外でこの設備の充実ぶりは珍しいですね。

少し暑かったので、エアコンの設定を27度にしたら、熱風が吹き出してきて
びっくりしました!
ロシアの夏は日本よりずっと涼しいから、27度設定にすると温度が上昇するのですね。

最終的に、24度設定にしたら快適な温度になりました。
ちなみに、日本ではいつも「30度の除湿」でちょうどいいのです。





朝食はこんな感じで。
同じツアーの方に「盛りつけの彩りが綺麗だったわ」と後で褒められました。



アンガラ川。



白樺の原生林。




ここでバスを降ります。



シャーマンの岩が、川の真ん中にぽっこりと鎮座しています。

ガイドさんが磐余を語ってくれました。


川の精霊アンガラは、美しく長じるにつれ、求愛者が後を絶たなかった。
ある勇者が、彼女の心を射止めたが、彼女の父親はこれを許さず、
山に命じた―――わが娘を封じよ、と。

緑滴る山々はアンガラを取り押さえるように、彼女に沿って連なった。
しかし激しい恋情を抱くアンガラは、山々の制止を振り切って、
男のもとへ向かおうとした。

嚇怒のあまり、その父は手元にあった白い岩を彼女に向かって投げつけた。
それはアンガラ川に楔のように打ちつけられた。

その白い楔は、現在はシャーマンの岩と称されている。



この話を聞きながら『古事記』のスセリビメと、その父スサノオノミコトの逸話を彷彿しました。
スサノオは、婿としてオオクニヌシノミコトを認めていたし、もう少し物分かりが良かったけれど。



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極東シベリア紀行―①出発

2016年08月26日 | 旅行
ロシア行きを決めたのは、テロを避けるという意味もありました。
観光大国でもなく、鄙びた極東シベリアであれば、まさかISも魔手をのばさないでしょう。

それに、昨年欧州を訪れた時、中国人団体客のマナーの悪さに辟易していたので、彼らに遭遇しない場所に行きたいという思いもありました。
もちろん、マナーの良い中国人もたくさんいますし、態度も悪い日本人も多く存在することは知っていますが。

そして、愛らしいバイカルアザラシに逢うこと、世界自然遺産のバイカル湖を眺めること、シベリア鉄道で昼寝をすること。
これらを体験してみたかったのです。

少し秘境になるので、多分旅慣れた方が多く来られるツアーだろう、と推測しておりました。

予想どおり、ツアーの約9割は60代でした。
もう観光地はほぼ行きつくし、近場にしようという感じなのでしょう。
今回は直行便で片道7時間程度ですから。

成田の搭乗口から、バスで揺られること5分以上。
旅慣れた皆様からも、あまりの遠さにどよめきが起こります。





座席70人程度のこの小型機が待っていました。

馬力がないので、ハバロフスクで給油をします。

不思議なことに、給油中にトイレに行くことはできるのですが、
ドア前でトイレ待ちをしていると、無表情の客室乗務員の女性に
”You must take your seat!!"
と叱られるのです。

離着陸の時ならわかるのですが、飛行機が止まっている時、なぜ立っていてはいけないのでしょう?
あまりに多くの客が繰り返しトイレ付近に群がるものですから、彼女は何度も眉宇に皺を寄せて注意をしていました。

でも整然整列は日本の文化。理由がわからない指示には、なかなか従えないものです。


到着したイルクーツクの漆黒の空には、満月が煌々と輝き、旅の恩寵を予感いたしました。


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旅に必要なもの

2016年08月25日 | 旅行
旅をするには、少なくとも3つのものが必要だ。

パワー、時間、お金。

パワーあふれる若いころはお金がなく、
働き始めて少し自由になるお金ができたころは、時間がつくれない。
リタイアしたころは、お金と時間があってもパワーがない。


そんな考えが、最近は少し変わった。
最もパワフルな人たちはリタイア組である。

そして若手よりもコミュ力が高く、すぐ人と調和できる。

確かに年を重ねれば、身体のあちこちはいたんでくるし
感受性も記憶力も低下してくる。

それでもなお「貪欲さ」というものは、なかなか枯れないものらしい。

「もう先がないから、二度と来られないだろうから、
 思う存分この旅行を満喫する」

そんなことを話す諸先輩方の多いこと。
皆さん、とても前向きで、瞳に力がある。

50代から旅の楽しさを知ったというある女性は、
「急がなければと、何かに憑かれるように出かけたけれど、
 70歳近い今になると、焦らずとも楽しく過ごすことができる、
 そうわかったわ」と嬉しそうに微笑んでいた。

そんな前向きでパワフルな人たちと過ごせる旅が
私は大好きだ。

意志と行動力が最も必要なのだろう。
旅に限ったことでもなく、世代に特化したことでもないが。


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台風接近の旅立ち

2016年08月15日 | 日記
8月17日に台風が関東を直撃するという予報を聞き、ただ「ふうん」と呟いた。

その日は、成田空港まで行かなくてはならない。
北西に位置する某国を観光するのだ。

本来「電車が動くかな」「飛行機は飛ぶかな」とあれこれ心配を
巡らせる場面なのだが、何故か心は落ち着いている。

今までも天候に恵まれていた。
雨に遭遇したら、得難い体験を堪能することができるだろう。
旅は僅かにハプニングがあるほうが面白い。

そんな悠然とした気分で過ごしていたら、どうやら17日の未明には
関東を通過するらしい。
私が家を出るころには、明るい陽光が降り注いでいるだろう。


クルーズ用のウインドブレーカーが届いた。
小さくて軽いのが嬉しい。


今日は、お宮に詣でて、平和への祈りを捧げた。
跪拝の際には、もちろん数々の感謝も込める。

健康であること、食事が美味しいこと、旅を楽しめる環境にあること、
家族が健康であること、天候や交通の運が強いこと…
感謝できることがたくさんあることを、ありがたく想いながら。


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