「免疫すり抜ける力が強い」新変異株“ケンタウロス”
2~3度感染することも…飛沫対策が重要に【岡山発】
新型コロナウイルスの変異株「BA.5」によるとみられる感染第7波が拡大する中、
新たな変異株、通称“ケンタウロス”「BA.2.75」の行方が注目されている。
【画像】「今後BA2.75が主流となれば、第7波が延びる可能性もある」と話す勝田教授
この新たな変異株が、日本で流行することはあるのか?
関西福祉大学の勝田吉彰教授は「今後BA2.75が主流となれば、
第7波が延びる可能性もあるが、今の所どちらに転ぶか見えない」と話す。
第7波の“期間に影響”も
勝田教授は「BA.5は感染力の強い株で、ある程度行き渡るまでは増える」とみている。
関西福祉大学・勝田吉彰教授: 今のまま、株がBA.5で変わらなければ、
(先行するヨーロッパなどと)同じような経過(1カ月半ほどで減少)になる想定。
だが一つ気になるのがBA.2.75。この株はこれまでより強く、
新たなピークを起こし始めると(流行が)延びてしまうことも懸念される
BA.2.75によって、感染第7波は延びるのか。
関西福祉大学・勝田吉彰教授: (今のところ)日本では置き換わりは進んでおらず、
主流になったのはインドだけ。どうなるか冷や冷やしつつも、
今日現在はそうではない インドで急拡大している「BA.2.75」は、
「ケンタウロス」とも呼ばれている。“特殊な変異株”であるとして、
上半身が人間で下半身が馬の伝説上の生き物から命名された。
関西福祉大学・勝田吉彰教授: BA.2に75がついている通り、BA.2から派生してきたもの。
感染力が強く、“免疫逃避”がとても強いのがこの株の特徴
“免疫逃避”とは、免疫をすり抜ける力のこと。
コロナウイルスは、何度もコピーを繰り返すうち、
物質の配列にミスが起き変異していく。
関西福祉大学・勝田吉彰教授: BA.2.75は“スパイクタンパク”と言って、
抗体がくっつく場所がいくつか変異している。本来抗体がくっつくべきところが、
まるでザラザラしたコンクリートの上にテープを貼るようにしっくりこない。
(それにより)抗体が効くことが減る。これが“免疫逃避”。
一度感染した人が二度、三度感染することがある BA.2.75の症状としては、
BA.2やBA.5のように、重症化しにくいという。
関西福祉大学・勝田吉彰教授: デルタ株からオミクロン株に変わった時のような
大きな変化ではない。対策も基本的には同じ。一度感染しても安心せずにマスクをして、
これまでの知識に基づいて行動していただきたい。
基本的なルールを変えず、情報に対してアンテナを高く立てていく事が必要
飛沫感染を防ぐのが基本
対策の中でも、BA.2やBA.5、BA.2.75など、
オミクロン株で重要なのは、飛沫感染を防ぐこと。
関西福祉大学・勝田吉彰教授: BA.2あたりから、飛沫感染への対策が基本。
しなくてもよくなりつつあるのは接触(への対策)。
ドアノブを拭くなどの対策は必要なくなってきている
その上で勝田教授は「ウイルスは次々に進化していく。
これが最終進化系ではない。また違うものも出てくる」
と注意を呼びかける。
関西福祉大学・勝田吉彰教授:
いつの間にか戦っている相手が違っている。
特にホイッスルもなく、レベルの高い選手に代わっている。
ゴールが動いている。それが起きるのがこの病気
(岡山放送)