ウクライナに隣接するロシア南西部クルスク州と西部ブリャンスク州の知事は29日、ウクライナ側から攻撃を受けたと主張した。国境地帯のロシア側では最近、燃料貯蔵施設などの爆発が相次いで伝えられており、ウクライナ軍がロシアの補給施設を攻撃している可能性がある。
一方、ポーランドメディアは同日、同国政府が保有する戦車をウクライナ軍に提供したと報じた。 クルスク州の知事は同日、SNS(交流サイト)上で「国境地帯の集落が迫撃砲で攻撃され、露軍が反撃の射撃を行った」と発表。
ブリャンスク州の知事もSNSを通じ「国境管理施設がウクライナ軍に砲撃された」と述べた。いずれも死傷者はないという。ブリャンスク州では25日にも燃料貯蔵施設で爆発が起きた。
さらに露南西部ベルゴロド州の知事も27日、弾薬庫が爆発したと発表。同州では3月末から4月上旬にも弾薬庫の爆発や石油関連施設の火災が発生した。
米シンクタンク「戦争研究所」は27日、ウクライナ軍がドローン(無人機)かミサイルでベルゴロド州などの補給拠点を攻撃しているとの分析を発表した。 ウクライナ側は露国内への攻撃を否定も肯定もしていない。
ただ、同国のポドリャク大統領府長官顧問は27日、「ロシアは戦争のコストを支払っており、今後も増える。それは露国民に侵攻への疑問を生じさせるだろう」と述べ、ウクライナ側の関与を示唆した。
一方、ポーランドメディアによると、同国はウクライナに旧ソ連設計の戦車T72の引き渡しを開始した。引き渡しは今後、200両以上の規模になる可能性があるという。T72はウクライナを含む旧ソ連諸国が運用し、チェコも既にT72をウクライナに提供している。
米CNNテレビによると、米政府は29日、民間軍事会社(PMC)に所属しウクライナ国内で露軍と戦っていた元米海兵隊員の男性(22)が戦死したことを確認した。 露国防省は29日、ウクライナ東部の燃料貯蔵施設や軍事拠点をミサイルや空爆で破壊したと発表した。