新型コロナウイルスの感染が再拡大する欧州で、医療機関の負荷が一段と強まっている。フランスのパリ首都圏では感染者が想定を上回るペースで増え、緊急用の病床の7割近くが埋まった。西欧より脆弱だとされる東欧諸国では死者が急増。逼迫に向かうなか、各国が感染抑制のため一段と厳しい規制に乗り出す可能性もある。
27日の当局発表によると、パリを含む首都圏「イルドフランス」で、感染者による緊急用病床の使用率が69%に高まった。全国平均でも5割を超える。ほかの患者もあわせると使用率100%の病院もあるようだ。春先の感染拡大はパリと仏東部が中心で、ほかの地域の病院が患者を受け入れることができた。今回は全土に感染が広がっており、マクロン仏大統領は「この春より事態は深刻だ」と指摘する。
25日には仏の1日あたりの新規感染者が約5万2000人に達した。病院側はベッドを増やして再拡大に備えたが、拡大の速さに追いつけない。フランスは春先の拡大を外出制限で抑え込んだが、夏休みの人の移動などが再拡大を引き起こした。マクロン政権は28日にも追加の対策を発表するとみられる。週末の外出制限や、学校の閉鎖などが検討されている。
スペインでも医療機関が逼迫しつつある。現地紙パイスによると、マドリードでは緊急用の病床の4割を新型コロナ感染者が占める。バルセロナを抱える北東部のカタルーニャ州では3割だ。スペイン政府は25日、非常事態を再び宣言した。大西洋のカナリア諸島を除き、全土で午後11時から翌午前6時までの外出を原則禁じる。イタリアでも感染拡大で医療体制が耐えられるか懸念が広がる。26日には飲食店の午後6時以降の営業を禁じた。以下略 原文を (* 日経 記事より グラフも)
東欧ではチェコの死者数が9月中旬ごろまで1日あたり10人未満で推移したが、26日には164人に跳ね上がった。バビシュ首相は最近の国民向けのテレビ演説で「我々は非常に厳しい状況におり、残念なことに感染症が戻ってきた」と訴えた。チェコ政府は22日、2度目の全国的なロックダウン(都市封鎖)を導入した。大半の店舗を閉めさせたほか、外出も大幅に制限した。スロバキア、ルーマニアでも感染が広がっている。 . . . 本文を読む
■株小幅反落(23485)。「欧米の新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が制限されるとの懸念が広がり、前日の欧米株が急落。東京市場でも売りが先行した。一方、業績に期待できる銘柄を中心に買いが入り相場を下支えした。日経平均は朝方に下げ幅が200円を超える場面があったが、売りが一巡した後は、決算発表で好業績が確認された銘柄に押し目買いが入った。今期の純利益見通しを前日に上方修正したキヤノンが8%高と急伸。「キヤノンのように業績が堅調なのに株価が割安に放置されている銘柄を物色する『見直し買い』が広がった」との指摘も。日本の取引時間中に米株価指数先物が堅調だったことも日本株を支えた。市場からは「欧米に比べて日本では感染者数や死者数が少ないことも投資家には安心材料」。東証1部の売買代金は概算で1兆8631億円。12営業日連続で2兆円を割り込んだ。売買高は9億4534万株だった。米大統領選の投開票を翌週に控えて様子見姿勢の投資家が多かった」
■債券堅調(利回り低下0.025%)。「欧州や米国で新型コロナウイルスの感染が広がり、世界経済の回復が鈍化するとの見方から国債に買い。長期債は午前に売買が成立したが、午後は今のところ取引されていない。26日の米ダウ工業株30種平均が650ドル(2.3%)安となるなど欧米の株価が大きく下落したのに比べ27日の日経平均株価は8円(0.04%)安と底堅かった。投資家心理の一段の悪化は避けられ、債券買いの勢いは限られた。財務省が27日に実施した2年物418回債の入札は最低落札価格が100円45銭5厘と市場予想(100円46銭)を下回った。債券需給の緩みを示す弱い内容と受け止められたが、相場への影響は限定的だった。きょうまで新発債の2年物417回債はまだ取引が成立していない。超長期債は新発40年物国債の利回りが前日比0.010%低い0.660%」
(為替)104.67-104.83のせまいレンジ。17時は104.82近辺。ユーロは123.87/1.1816近辺。 . . . 本文を読む
金融市場で米財政への関心が高まっている。米大統領選では両候補が強力な経済対策を訴えており、2021年の財政赤字は一段と膨らむ公算が大きい。米国債金利は先週大きく上昇し、先高観も根強い。
米10年物国債は23日に0.87%まで上昇した。26日は株安を受けて、やや低下したが約4カ月ぶりの高水準にある。11月3日の大統領選を前に今後米財政が拡張されるとの見方が強まっている。
民主党は2兆2千億ドル(約230兆円)の追加経済対策案を主張。ホワイトハウスは1兆8000億ドルにまで段階的に引き上げ、トランプ大統領は「民主党を上回る対策もありうる」と主張する。協議は難航しており、「選挙までの合意は難しい」(米国野村証券)との見方が広がる。ただ、経済情勢はなお厳しく、選挙後は結果にかかわらず、大規模な対策が打ち出されるとの見方が強まる。
特に金利上昇が強まりやすいのはバイデン氏が勝ち、上下院とも民主党が過半の議席を押さえるシナリオだ。大きな政府を標榜する民主党が議会を円滑に運営すれば機動的に経済対策が打たれやすくなる。ゴールドマン・サックスは米10年債は1.06%に上昇すると予測。モルガン・スタンレーも1.1%とみる。
10月に入り、米国では新型コロナウイルスの新規感染者が7月のピークを超えた。拡大が続けば経済再開が遅れるばかりか、欧州のように外出や店舗営業の再規制が強まりかねない。大規模な経済対策がより長期化する可能性もある。米政府債務残高の国内総生産(GDP)比は第2次世界大戦直後の水準を超え、過去最高だ。巨額の財政赤字の収束もみえない。米連邦準備理事会(FRB)は情勢に応じて米国債を買う姿勢を示しており、金利が急騰するリスクは低いが財政への不安は高まる。 以下略 原文をお読みください(*日経 記事より 表も)
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■ダウは大幅続落(27685)。「米国で新型コロナウイルスの感染拡大が過去最多、追加経済対策の合意も遠のき、下げ幅は965ドルに達する場面も。米国の1日あたりの感染者数は23~24日に8万人を超え、過去最多。追加経済対策の与野党協議を巡り、野党・民主党のペロシ下院議長とメドウズ米大統領首席補佐官がお互いの交渉姿勢を非難、大統領選前の成立の可能性が低下。新政権が発足する来年1月下旬まで成立しないと、経済支援の遅れが景気を冷やす。ボーイングやキャタピラーなど景気敏感株が安い。SAPが25日、2020年12月期通期の業績見通しを下方修正。新型コロナ禍で企業のIT(情報技術)需要が減速しており、マイクロソフトやセールスフォースなどが連想売りで大幅安。ナスダックは1万1358.94」
■原油は続落(38.56)。「米国でのコロナ禍拡大、株安。需要減懸念から原油にも売り」、●金は続伸(1905.7)
■米国債は続伸(利回り低下0.80%)「コロナ禍拡大、株安で債券買い。追加経済策は、大統領選前の対策成立はほぼ不可能との見方。9月の米新築住宅販売件数が前月比3.5%減の95万9000件(年率換算)と市場予想に反して減少した。コロナ禍での郊外移転などを受けた住宅市場の活況は米景気回復を主導していた面があっただけに、伸び悩みが懸念された。2年物は0.15%」
■日経平均先物夜間引けは、23390。
■(為替)104.83-105.05のレンジ。17時は104.85近辺。ユーロは1.1806-1.1826のレンジ、17時は123.80/1.1810近辺。ドイツのIfo経済研究所が発表した10月の企業景況感指数が前月から低下したこともユーロの重荷。
16:50更新 . . . 本文を読む
菅義偉首相が26日表明した温暖化ガス排出を「実質ゼロ」にする目標に関し、具体的な計画づくりで先行するのは欧州連合(EU)と中国だ。再生可能エネルギーや省エネの拡大に加え、水素社会の実現がカギとみる。官民挙げての技術開発競争が激化してきた。
国際エネルギー機関(IEA)は10月に公表した報告書で、2050年に世界の排出を実質ゼロにするため30年までに必要な道筋を示した。
(1)二酸化炭素(CO2)を10年比45%減(2)電力部門からの排出を19年から60%減(3)電力供給に占める再生エネの割合を19年の27%から60%に上げる(4)30年の乗用車販売の半分以上を電気自動車(EV)に――。いずれも容易な内容ではない。
IEAは個人の行動を変えることも提言した。(1)労働者の2割が週3回以上在宅勤務(2)運転速度を時速7キロメートル遅く(3)冷暖房の設定を3度弱める(4)3キロメートル以内の車移動を自転車か徒歩に変更――などを推奨した。
EUは50年までの「実質ゼロ」を掲げる。30年までに1990年比で40%減らすとの目標も引き上げ、少なくとも55%減らす案を議論する。30年までは再生エネや省エネなどの普及が主だが、30年以降は新技術に期待する。その中心が水素だ。 「商用航空機分野でこれは歴史的な瞬間だ」。欧州エアバスのフォーリ最高経営責任者(CEO)は胸を張る。9月、水素を燃料とする航空機を35年までに事業化すると発表した。航空機は世界のCO2の約2%を排出しており、水素燃料の航空機が実現すれば排出ゼロに近づく。以下略 原文をご覧ください
(*日経 記事より)写真:欧州エアバスは水素を燃料にした飛行機の事業化計画を公表した=同社提供 . . . 本文を読む
■株小反落(23494)。「米国の追加経済対策の与野党協議が難航していることや、中国・上海総合指数が軟調に推移していることが重荷。電子部品関連の一角には2020年4~9月期決算への期待感から買いが入って下値を支えたが、米大統領選を前に様子見感も強く持ち高を一方向に傾ける動きは限られ、薄商いとなった。日経平均の高値から安値を引いた日中値幅は97円にとどまり、10月21日(約90円)以来の小ささとなった。朝方は23日のナスダック総合株価指数が上昇したことが追い風となり、ハイテク株を中心に買いが先行したものの、日本時間26日の米株価指数先物が軟調に推移したこともあり続かなかった。「今週から決算発表が本格化するうえ、米大統領選の動向が不透明で追加経済対策が早期に成立するか読めず、投資家は動くに動けない状態」、東証1部の売買代金は概算で1兆5929億円と8月24日以来の低水準。11日連続の2兆円割れで、2019年8月以来となる。売買高は8億839万株で同じく8月24日以来の低水準だった。東証1部の値下がり銘柄数は1245と、全体の約6割を占めた。値上がりは815、変わらずは118」。
■債券堅調(利回り低下0.030%)。「米追加経済対策を巡る与野党協議の難航などを背景に米長期金利が日本時間26日の取引で低下幅を広げ、国内債にも買いが及んだ。一方、米国では財政支出の拡大に伴う国債増発懸念も根強く、買いの勢いは限られた。中期債は横ばいだった。新発2年物国債の利回りは前週末と同じマイナス0.135%で取引された。日銀が26日実施した国債買い入れオペ(公開市場操作)で、残存期間「1年超3年以下」は応札額を落札額で割った応札倍率が前回から低下。投資家の売り意欲が鈍っているとの見方から買いが入ったものの、27日の2年債入札を前に持ち高調整の売りも出た。市場では「一時期に比べ中期債の需給不安は後退し、入札は無難な結果になる」との声」。
(為替)104.66-104.97のレンジ、17時は104.88近辺。ユーロは124.06/1.1828近辺 . . . 本文を読む
麻薬マフィアのゴッドファーザーが取り締まりの担当大臣――。B級映画のシナリオとしても陳腐すぎて採用されないような話が、メキシコでは現実の疑惑として浮上した。サルバドル・シエンフエゴス前国防相(72)が16日、米国の検察から麻薬取引や資金洗浄(マネーロンダリング)の罪で起訴されたのだ。(以下 抜粋 原文をお読みください)
■特定の麻薬カルテルを「ごひいき」に
シエンフエゴス氏は、12~18年にペニャニエト政権で国防相を務め、軍も動員した麻薬組織の取り締まりを主導していた。そうした立場にいながら、自身に賄賂を贈る凶悪な麻薬密売組織「H2ーカルテル」が活動しやすいように配慮を加えていた疑いがもたれている。傍受された携帯電話ブラックベリーでの数千のやり取りからは、競合の麻薬組織についての捜査ばかりを指示するメッセージが確認されている。西部ナヤリ州などを地盤にする同カルテルによる拷問や殺害などの暴力を見逃し、勢力拡張を側面支援していたともされる。
■麻薬組織の政府への浸透浮き彫りに
米ニューヨークの検察当局はシエンフエゴス氏について、19年8月14日に逮捕状を出していたが、これまでは公表されていなかった。有罪の場合には少なくとも10年の禁錮刑となる見通しだ。メキシコでは捜査対象ではなかった。メキシコの閣僚を巡っては、ガルシア・ルナ元公安相も19年12月に米テキサス州で拘束された。有力麻薬密売組織シナロア・カルテルから賄賂を受け取り、対米輸出をほう助したとの疑惑がある。ルナ氏は国民行動党(PAN)のカルデロン政権(06~12年)、シエンフエゴス氏は制度的革命党(PRI)のペニャニエト政権(12~18年)で閣僚を務めた。異なる政党の別々の大統領の下で要職にあった人物が拘束された事実は重い。麻薬組織がそれだけ政府組織に幅広く根を張っている証左といえるためだ。(*日経 記事より)写真:シエンフエゴス前国防相は米ロサンゼルスで拘束された(2016年9月、メキシコシティ)=ロイター . . . 本文を読む
●今週(10/26-10/30)の主な予定
■イベント/政治
(10/25)富山県知事選、岡山県知事選投開票、中国の朝鮮戦争参戦70年、(10/26)臨時国会召集、菅首相が所信表明演説、中国共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会、29日まで)(10/27)日米財界人会議(オンライン、28日まで)、(10/28)日銀政策委・金融政策決定会合(29日まで)、 ブラジル中央銀行政策金利 、カナダ銀行 政策金利、(10/29)栃木県知事選告示(11月15日投開票)、黒田日銀総裁会見、EU首脳会議(テレビ会議)、欧州中央銀行(ECB)理事会、7~9月期の米GDP速報値 、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁定例記者会見、(10/30)EU3四半期GDP発表(EU統計局)、 (独) 7-9月期国内総生産(GDP、速報値)、(10/31)ベルリン新空港「ベルリン・ブランデンブルク国際空港」開港。
■経済指標
(10/26)9月の企業向けサービス価格指数(日銀)、 (独) 10月IFO企業景況感指数 、(米) 9月新築住宅販売件数、(10/27)(米) 9月耐久財受注 、(米) 8月ケース・シラー米住宅価格指数 、(米) 10月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、(10/29)10月の展望リポート(日銀)、10月の消費動向調査(内閣府)、 (独) 10月失業率、 (独) 10月消費者物価指数(CPI、速報値)、 (米) 前週分失業保険継続受給者数、(10/30)9月の統計集中日=有効求人倍率(厚労省)、完全失業率(総務省)、鉱工業生産指数速報(経産省)、 (米) 9月個人消費支出(PCE)
(グラフは * 日経 記事より)
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