中学時代から大学時代までの硬派な私小説。
『犬の系譜』の続編にあたる作品といったら乱暴すぎるだろうか。
「です・ます」の文調ではないし、細かい設定に若干の食い違いが見られる。
自分の部屋を増築するのに主導的な役割を果たしたのは、
『犬の系譜』では叔父だけれど、
こちらの小説ではバイトで知り合ったデラ安になっている。
大学時代に実家を出て、
叔父のアパートに居候することになってようやく「叔父」が登場する。
藤山一郎の歌が得意というエピソードは変わらない。
椎名さんが大学を中退したワケが示唆されているので、
目からウロコだった。
喧嘩の痛さ(肉体的苦痛だけでなく精神的後味の悪さも含む)を経験していないと、
ここまでリアルに書けない。
ケンカの達人「ゆう」さんに喧嘩の極意を教わる場面は、
最近は物騒な世の中になってきただけに、
護身術の教本として大いに役に立つだろう(汗)。
冗談はさておき、
この小説を暴力的だと批判するのはいとも簡単。
それはあまりにも短絡すぎだし、本質を見ていないような気がする。
そういった批判を実際に目にしたわけではないが、
この小説は数ある椎名作品の中ではあまり知られていないというか、
あまり話題にならないというか、
過小評価されているような気がして仕方がない。
アマゾンに書評が1件も掲載されていないのを発見して、
アレ?と不思議に思った次第。
作家・椎名誠、
男・椎名誠、
喧嘩に強い椎名誠、
硬派な椎名誠、
などこの人のいろいろな面が形成されていく過程を見ることができる貴重な作品であります。
黄金時代
椎名誠
文藝春秋 (2000/12)
ISBN-10: 4167334151
ISBN-13: 978-4167334154
発売日: 2000/12
『犬の系譜』の続編にあたる作品といったら乱暴すぎるだろうか。
「です・ます」の文調ではないし、細かい設定に若干の食い違いが見られる。
自分の部屋を増築するのに主導的な役割を果たしたのは、
『犬の系譜』では叔父だけれど、
こちらの小説ではバイトで知り合ったデラ安になっている。
大学時代に実家を出て、
叔父のアパートに居候することになってようやく「叔父」が登場する。
藤山一郎の歌が得意というエピソードは変わらない。
椎名さんが大学を中退したワケが示唆されているので、
目からウロコだった。
喧嘩の痛さ(肉体的苦痛だけでなく精神的後味の悪さも含む)を経験していないと、
ここまでリアルに書けない。
ケンカの達人「ゆう」さんに喧嘩の極意を教わる場面は、
最近は物騒な世の中になってきただけに、
護身術の教本として大いに役に立つだろう(汗)。
冗談はさておき、
この小説を暴力的だと批判するのはいとも簡単。
それはあまりにも短絡すぎだし、本質を見ていないような気がする。
そういった批判を実際に目にしたわけではないが、
この小説は数ある椎名作品の中ではあまり知られていないというか、
あまり話題にならないというか、
過小評価されているような気がして仕方がない。
アマゾンに書評が1件も掲載されていないのを発見して、
アレ?と不思議に思った次第。
作家・椎名誠、
男・椎名誠、
喧嘩に強い椎名誠、
硬派な椎名誠、
などこの人のいろいろな面が形成されていく過程を見ることができる貴重な作品であります。
黄金時代
椎名誠
文藝春秋 (2000/12)
ISBN-10: 4167334151
ISBN-13: 978-4167334154
発売日: 2000/12