パソコン内の写真を整理していたところ、以前イワクラ学会で大変お世話になった今は亡き猫ばす堂こと「M.T」さんから頂いた宮崎県は日南市北郷町に鎮座する潮嶽神社で、開催されている潮嶽(うしおだけ)神社奉納神楽の貴重な写真を発見した。
宮崎には、いろいろな地区で奉納神楽が演じられているがここのものは、神楽こそ普通ではあるのだが神事の際に周囲に施される飾りものが一風変わっていて、他ではあまり例を見たことがなくあえて取材をお願いしご提供頂いていたもの。
今回は、頂戴した神楽の写真と特徴的な飾りものを紹介したい。
潮嶽神楽の起源は詳らかではないが、寛文年間(1661 - 1673)の銘のある神楽 面をはじめ十二面の神楽面が残り、神楽関係の文書としては「潮嶽神社神事宝典」に文化三年(1808)鵜戸神宮御遷宮にあたっての奉仕の番付がありかつては徹宵神楽として36番が舞われていた。
神座 正面に鳥居と祭壇 その奥には神卸の神籬が見える。
神庭中央には、天蓋が設けられ天上界(八百万の神々)と交信する役割があり、邪神や魔物を寄せ付けない結界としての役割もある。
興味深い特異な図形が描かれた箱型の飾りもの
四方、下面と共にそれぞれ異なる図形が描かれている。
併せて頂いた資料「神楽仕立書」に、この記述があった。
これによれば、大きさは八寸四方と言うから24㎝四方ほど。
それぞれの色分けが、四方で東➡青 西➡白 北➡黒 南➡赤 中(下)➡黄 とあるが、写真だと青➡緑 白➡紫 として置き換えられているようだが「五行説」の思想に基づいているようだ。
それぞれの図形(図象)には意味があると思うのだが、WEB調査だけでは分からなかった。(そのうちに直接関係者筋にでも問い合わせる予定)
見た目はホツマ文字に似通っているものもあるが東西南北の四方に描かれていることから天体に関連する(太陽、月、星)などを意味しているのではないかと推測している。
供えられたイノシシの頭部 これは、地元猟師による献納なのだそうで、また写真には写っていないが併せてマグロも供えられている。それらから潮獄神楽の舞には、猟祈願・作祈願・漁祈願の三つを合わせもつ事になる。
この神楽の特徴は、海幸山、幸神話に由来する神社であることから、鯛を付けた釣り竿を操りながら海幸山、幸神話を唱える「魚釣舞」などの特色ある舞がみられる。また、終盤になると他の春神楽と同じく五穀豊穣や子孫繁栄を祈願する「箕取り舞」などが舞われる。
☞関連リンク:潮嶽神社公式
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