続いて筑波山南麓に点在する神社と磐座、巨石群の紹介です。
まず訪れたのは、筑波山神社からつくば道を南へ1.5キロほど行った場所に鎮座する月水石(がっすいせき)神社です。
【月水石神社】
途中道幅が狭いので対向車に注意が必要です。(道路沿いに駐車場あり)
覆屋の中に本殿だけの神社です。
祭祀:磐長姫(イワナガヒメ)
イワナガヒメとコノハナノサクヤビメの姉妹は人類全体の死の起源神話になっています。 人間は石(イワナガヒメ)ではなく植物(コノハナサクヤビメ)との結婚によって誕生したために 石のように不死ではなく植物のように子孫を生み残して死ななくてはならなくなった。 そのためにイワナガヒメは筑波の地に留まって世の人々を見守りながら現在も永遠に息部ぶいています。
社殿の後ろにある月に一度赤い水を流すといわれる巨岩が御神体。 この言い伝えは女性の生理と結びつき不妊に悩む女性が多く参拝しています。(境内案内板より転載)
実は、この案内板の由緒は近年のもので我々が訪れた時は以下のような興味深い由来が書かれていました。
「当祭神は筑波山両神イザナミ、イザナギ尊の第4御子の磐長姫を祀る」
我々が知る記紀神話では、イワナガヒメは大山祇の娘で妹がコノハナサクヤヒメであるはずですが、ここではイザナギ、イザナミの4番目の娘と言うことになっています。また、あろうことか石のごとく長命のはずのイワナガヒメが病により両親の鎮まる筑波の山に登ることが出来ずこの地で崩御しこの地で筑波山両神の下命によって庶民の守護神になったと伝えています。
このくだりは記紀とは異なる独自の伝承で興味深いです。
また、第4御子という事はイワナガヒメの上に三人の御子がいる事になりそのうち調べてみる価値はありそうです。
この社殿の背後にご神体の巨石があります。
まさしくこれぞ磐座ではないでしょうか。
巨石に小さな丸い穴が開いています。ここから月に一度、赤い水が流れると伝えています。(月水石)この謂れから婦人病や不妊に悩む女性の信仰が篤かったそうです。またこの地に伝わる伝承によれば、イワナガヒメはここで亡くなり、当神社が祀る巨石は、イワナガヒメが化したものであると伝えています。
【飯名神社】
月水石神社より南へ350mほど下った場所に鎮座しています。
一の鳥居
拝殿
拝殿の背後に連なった本殿の覆屋があるちょっと変わった造りです。
本殿の背後には磐座
陰石(女石)と陽石(男石)小祠には弁財天を祀っています。
祭祀:宇気母知神(うけもちのかみ )・市杵嶋姫命
かつては、宇気母知神一柱を祀っていたそうですが江戸時代に市杵嶋姫命を勧請し弁財天信仰が流行り今も「稲野の弁天様」「飯名の弁天様」「臼井の弁天様」と親しまれているのだそうです。
飯名神社由来記(写真クリックで拡大)
万葉歌碑 『万葉集』第14巻の東歌「筑波嶺に雪かも降らるいなをかも愛しき子ろが布(にの)乾(ほ)さるかも」
「いなおかも」を「否をかも」と「いなをか(飯名岡 、飯奈岡、稲岡)」の掛詞と解釈する見解がある そうです。
境内にあった注連縄の掛けられた霊石(詳細不明)
石の手水鉢に見えますが注連縄が掛けられ神聖視されているようです。
(撮影:2002-6・2006-4)
お断り:2006年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
お断り:2006年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
【マップ】
月水石神社
飯名神社
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