MS「多発性硬化症」と共に生きる

難病の「多発性硬化症」患者です。家での映画鑑賞とガーデニングが趣味でです。薔薇が好きになり信仰に支えらながらの毎日です。

病理検査室

2024-04-07 14:46:00 | これまでのこと

昔に遡る。
免疫学の研究室のような所にいたが、上司が異動することになり、私は病理検査室に行くことになった。
仕事は今までと同じ、染色体の仕事や細胞保存の仕事をしていいことになった。
そのことはよかったが、ホルマリンの匂いが立ち込めているので気になった。
病理検査とはホルマリンに漬けた組織をパラフィンで固め、それを薄切して、スライドグラスに載せ、染色して、それを病理医が診断する。
それで癌かそうでないかが決まるので、重要な仕事だ。

スライドグラスはキシレンという有機溶媒に漬ける。
キシレンには慣れていたが、ある時病理医の意向でキシレンの代わりにヒストクリアという有機溶剤に替えることになった。

すると、私はその匂いで頭がぼーっとして眠くなるので、仕事にならなくて上司に訴えた。
上司は病理医に伝えると、自分に逆らう者がいると思ったのか、いきなり「出ていけ!」と私に向けて怒鳴った。
私はショックで涙がボロボロ出た。
皆んなも驚いて、どうして良いか
わからないようだった。
泣く泣く荷物をまとめて技師長の所に行き、一般検査室に配属された。
晴天の霹靂とはこのことか?

しかし後に、ヒスとクリアは安全性に問題があるということで回収された。
◯◯さんはすごいね、と言われたが、嬉しくも何ともなかった。
人生にこんな事があるなんて理不尽だと思った。

私が悪いことをした訳じゃない、身体が反応しただけだと私は毅然としていた。
病理医からは年賀状が届いた。悪いと思ったのだろうか…今も分からない。







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