秀山の俳句写真日記

日々の生活、旅先での出逢い・思いを俳句、写真、文にした徒然日記です

巨大山門 いにしへ人の心しのばる

2021年10月17日 23時18分06秒 | 旅行
巨大山門 いにしへ人の心しのばる
        東大寺南大門
 
 天平創建時(8世紀)の門は平安時代に大風で倒壊し、現存のものは鎌倉時代(13世紀)に再建され、国内最大の山門とのことです。
 これまでの旅で訪れたお寺で結構多くの山門は見ていたのですが、今回、この山門の巨大さに圧倒されたせいか、これを造り維持してこられた人々の宗教心の深さに思いを新たにしました。同時に、初めて次のような疑問が湧いてきました。西洋には日本の山門のように宗教的意味を持たせた「門」はあるのだろうか、少なくとも私が訪れた欧米の土地にはなかったように思います。立派な門としてはパリで凱旋門を見ましたが、宗教的意味は持たされていないようです。
 インターネット情報による私なりの勝手な解釈によれば、仏教とキリスト教における聖域(=神聖にして犯してはならないとされる区域)の範囲の差から「門」の位置付けが異なっているのかな、と思いました。
 仏教における聖域は金堂、五重塔などの建物を内包する境内全体で、この聖域を境内の境界線で守る役割を期待されて東、西、南の方角に山門が造られます。東大寺南大門には阿形、吽形のこれまた巨大な金剛力士二体が門の両サイドにでんと構えておられます。
 キリスト教における聖域は教会堂という建物内部だけで、従って仏教的意味での「山門」はなく、教会堂への出入口だけがある、ということなのでしょうか。
 旅は自分の未知をも教えてくれる、これもまた旅の楽しさの一つかな、と思います。
 大仏殿の前に江戸時代に建立された「中門」があります。南大門と比べると小ぶりですが、それでも大きく、しかも朱色が綺麗に残っていまして、南大門、大仏殿の往時の色彩を連想させてくれます。
 
 
 
 

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巨大木造大仏殿 焼失再建 繰り返し 千三百年を 生きて今ある

2021年10月17日 02時02分32秒 | 旅行
巨大木造大仏殿 焼失再建 繰り返し
  千三百年を 生きて今ある
 
 
 奈良ホテルでチェックインして一息入れた後、東大寺に歩いて行きました。2007年3月のお水取りの時以来です。鹿さんもたくさんいましたが、気のせいかどこか精気が感じられません。 
先ず南大門が見えてき、大きいな~、と思いました。次に中門、受付口を通ってお庭に出て大仏殿を見ましたが、マッコト大きい!
 大仏殿の創建は751年で今から1270年も前です。1181年と1567年に戦火で焼失し、現在のものは1709年に再建されました。正面の幅は58m、奥行き51m、棟までの高さは49mで、記録によれば、創建時のサイズは、奥行きと高さは今のものとほぼ同じですが、正面幅は86mもあったとのことです。
 東大寺の大仏殿は木造建築物では世界最大級と表現されていますが、木造軸組建築としては現在でも世界最大とのことです。今現在、世界最大の木造建築物はスペインで2011年に完成した「メトロポール・パラソル」といわれており、地下にはローマ遺跡を展示する博物館、1階には飲食店や市場、2階には多目的広場があるとのことです。 
 今回改めて思いました。1300年前に建てられた巨大木造大仏殿が、正面幅は狭くなったものの、そして、2回も焼失で無に帰したものの、日本人はその都度建て直し、おそらく、基本的には1300年前と同じ姿・雰囲気で今日まで伝えられている。これは素晴らしいことだ、と思いました。
 換言すれば、巨大仏殿は、それが焼けて物理的に無になっても大仏殿を大切に思う人々の心の中では生き続け、国費と民衆の寄附・浄財で再建されてきました。この日本人の心性と日本の文化は、美しいというか、素晴らしいというか、日本人に生まれてよかったとしみじみ思いました。

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