秀山の俳句写真日記

日々の生活、旅先での出逢い・思いを俳句、写真、文にした徒然日記です

流氷の下にクリオネきつとヰるはず(その1)

2021年02月17日 23時06分57秒 | 旅行

 

今から8年前のこの2月、念願の流氷を観たく、一人でツアーに参加しました。いつもは個人旅行ですが、雪の季節で車が必要な時はツアーに連れて行ってもらいます。ニューヨーク在住の時に雪道で車がスリップして一回転した怖い経験があるからです。東京のお天気は良かったのですが、稚内は良くないようで、引き返すかもしれないとの条件で搭乗しました。

 引き返す覚悟で雪の道北へ

 地の襞がくっきり雪の北海道

       襞:ひだ

 何十年かぶりに機上より見る北海道の雪景色、飽くことなく見入っていました。

 引き返さず着陸雪の最北端

 雪上車乗りて実感北海道

 雪の坂制御不能のチュープ乗り

 稚内空港には無事着陸でき、先ずは観光バスで「道立宗谷ふれあい公園」に行きました。そこでは、雪降る中、雪上車牽引のカートでドライブ。しばれましたが歳を忘れて興奮しました。年甲斐もなくチューブ乗りにもチャレンジしました。

 次の目的地は日本の最北端(北緯緯45度32分)の宗谷岬。間宮林蔵の立像もあります。

 巡りめく思ひしばれる最北端

 利尻島宗谷岬も雪の中

 初めて最北端に立ち、先ず思い浮かんだのが間宮林蔵と伊能忠敬で、その偉業を偲びました。両人が住んだことのある江東区(私の現住地)の教育委員会によれば、間宮林蔵(1775or1780年~1844年)は伊能忠敬(1745年~1818年)の弟子であったとのことです。徒歩で伊能は全国を回って極めて正確な日本地図を作り、間宮は樺太からシベリアに渡り、樺太が島であることを世界で初めて確認し、ユーラシア大陸との間の海峡に世界地図に日本でただ一人「間宮海峡」という日本人名を残しました。(現在では「タタール海峡」と呼称されることが一般的)

 お二人の志と能力の高さ、強靭な体力と精神力に改めて感服してしまいます。

 ちなみに、北緯45度上の世界の都市にはミラノ、モントリオール、リオンがあります。東京は北緯35度、最南端の石垣市は北緯24度。

 ロシア舞踏の歓迎ここは最北端

 1日目の夜はロシア舞踏での歓迎会です。最北端がロシアに近いことを改めて実感しました。

 肌つるつる雪の露天湯昆布味

 昆布湯の眼下は雪の港町 

 ロシア舞踏の後は稚内副港市場内にある「港のゆ」でひと風呂浴びました。露天風呂からは港の夜景が一望。最北端の露天風呂と思うだけでも楽しく、しばれる寒さも気にならず夜景と湯の味・感触を堪能しました。残念なことに、「港のゆ」はこのコロナ禍で現在閉館となっているとのことです。

 市民生活守る除雪車夜明け前

 雪凍てつく漁船漁師の逞しく

 二日目の朝食前、6時頃に一人で稚内港を散策しました。ホテルを出た時にはあまり感じなかった寒さが、時が経つにつれ深々とコートから刺し込む感じで、北海道の朝の寒さを思い知りました。まさに、piercing coldです。まだ夜の明けぬ6時13分に除雪車と出逢いました。ニューヨーク、ポートワシントンの冬の朝を思い出しました。冬の夜明け前の薄暗さと寒さが醸し出す何んともいえないもの寂しさです。港に行きますと、船体に雪が凍てついている漁船が接岸していました。冬の北の海での漁業、危険でご苦労が多いんだろうな、と思いました。


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