虚が実に 化す映画村 風かをる
東映太秦映画村
テレビは小さい時からあまり見ない方でしたが、このところ、NHKの朝ドラと日本と中国の時代物を皆録画で見るようになりました。そんなわけで、今回の京都行では映画村に必ず行こうと思っていました。広隆寺には9時の開門と同時に入り、そこで弥勒さんとじっくりお話をさせていただきました。その後で映画村に歩いて行き、11時からは20分ほどの無料村内ガイドに参加しました。
今放映中の「ちむどんどん」の前の「カムカムエヴリバディ」では、切られ役等の裏方さん的俳優さんが所属する大部屋の場面もありましたが、ガイドさんはそこに所属されている快活で可愛い女優さんでした。切られ役、主役の代わりに顔が映らないように注意しながら水に飛び込む役等々を、ご苦労も多いのでしょうが、明るく楽しそうに話されていました。俳優という仕事が本当に好きなんだな~、大スターになれる可能性はゼロではないでしょうからガンバレ、と思いながら彼女の話を楽しく聞いていました。ツアーに参加された方は20人くらいいましたが、皆朝ドラを見ていまして、「カムカムエヴリバディ」のあの場面はここで撮られましたとのガイドさんの説明ある度に、楽しそうなどよめきが起こっていました。
江戸時代や昭和・大正の町のオープンセットは、作りそのものはいわば「チャチ」なもののように見えましたが、カメラレンズを通って画像になると本物のように見える。人間の錯覚を最大限に利用するこの一連のプロセスは面白いし、人間も含む自然の力の不可思議さをも改めて思いました。また、このメカニズムを発見してものにする人間もまた凄いな、とも思いました。
江戸時代のオープンセットの町を歩きながら、あの場面はおそらくここで撮ったかも、と勝手に想像しながら、今よりもゆっくりと時の流れる江戸時代にタイムスリップする錯覚を楽しむことが出来ました。