風かをる 京都ならでは 鰊蕎麦
太秦・金時さん
万緑に 鎮まる三柱 鳥居かな
古の 心鳥居に 風かをる
木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)
映画村で昼ご飯を探しましたがこれというものが見つかりませんでしたので、次の目的地の京都国立博物館へのバス停まで歩いていましたら、江戸下町風の店構えが目に入りました。京都に来ますと一度はニシン蕎麦をいただきます。ここのお店は大正解で、お蕎麦もニシンも共に美味でした。そして、お値段は700円!四条大橋にあります創業1861年の「総本家にしんそば 松葉 本店」の半分。
加えて、私が「ニシンもそうですが、お蕎麦も美味しいですね」と言いましたら、ここのご主人が、「東京から来られて方によく言われます。お客さんは東京ですか」と問われましたので、「そうです」と答えましたら、この近くに柱が三本の珍しい鳥居がありますよ。東京の方にお勧めしているんです」とのこと。
「蚕ノ社」と呼ばれる「木嶋坐天照御魂(このしまにますあまてるみたま)神社」で、初めて聞く名前でした。時間は自由でしたので寄ってみることにしました。この神社の入口には、大きな木の二本柱の鳥居がありました。鳥居は神社の内と外を分ける境に建てられて神域を示す門の一種とのことですから、この在り様は納得です。ところがこの三柱鳥居は神社境内の奥まった隅みにありました。ちょと異空間の雰囲気が漂っている感じです。パワースポットと言われているのもなんとなく分かるような気がします。神社の入口にあります説明書には以下のように書かれています。
「三柱鳥居:全国唯一の鳥居である。鳥居を三つに組み合わせた形体で、中央の組石は本殿ご祭神の神座であり宇宙の中心を表し四方より拝することが出来るよう建立されている。創立年月は不詳であるが現在の鳥居は享保年間(約300年前)に修復されたものである。一説には景教(キリスト教の一派ネストル教約1300年前に日本に伝わる)の遺物ではないかと伝われている。」
説明書に書かれている「四方より」とは、側面の3面プラス上の1面からも拝することができる、ということかもしれません。
いずれにしても、この三柱鳥居を作られた古(いにしえ)の人は、おそらくその当時には二本鳥居が一般的であったにもかかわらず敢えて三本で作られたとしたら、どのよう心からこのようなものを作ったのでしょうか・・・。しばし古人(いにしえびと)の心に思いを馳せる時を過ごしました。