わたしは本を読むのが早い。
昔からそうなんだけど最近とくに拍車がかかっている。なんでかなあと思っていたんだけどだいたい理解したぞ。リアルさが欲しいからなんだよ。
リアル。現実の世の中って、話がよく分からないままに進んでいって後から「ああ、あの時あの人が言っていたことってコレだったんだ~」ってなるようなこと、多くないですか。
わたしはよくあります。
本を読んでいても「おや、この人は誰だっけかな」とか思うことあります。
その時わたしは絶対ページを戻らない。すっかり忘れてしまったエピソードなんかも忘れたまんまで最後まで読むんですよ。
でも大抵の場合、読み進めるうちに情報がつながり合ってなんとな~く補完されるものです。「あ、あの時の彼だった~そうそう」とかって。リアルっぽい。
あとさ、人が喋っているスピードって意外に早いでしょう。だから聞き間違いとかもよくあるしそれで驚いたり困ったりへんな事になったりする。
本の中の会話文はもうそこに書かれているわけだから聞き間違いなんてあり得ないけど、たとえば人が喋るくらいの早さで読めばどうだろう。
雑に(雑って言っちゃったけど)さーっと読んでいると間違えて理解しちゃう部分、「聞き間違い」みたいなこともちろんでてきます。「この人言ってることとやってること違うなあ…」なんて思いながら読んでたりする。
でもいいんですよ、現実ではよくあることなんだから。聞き間違いだったって分かったところで勝手に「こ、こいつ、実はいいやつだったんだなあ…」とか感動したりできますし。
(これ勝手に脚色つけちゃってるみたいなもんだけどまあ、ね。)
現実の世の中でよく巻き起こるとまどい、みたいなもの。それが本にはほとんどないでしょ、きれいにつじつまの合った世界だから。
でもそこをわざわざコッチ寄りにして楽しみたいんですよ。
リアルさが欲しい、というより本の中の世界を体験したい、からなのかな。
そう、わたし本を読んでいるときは出来ればそのお話の中で一緒に暮らしたいんです。
まあこの雑な読み方のおかげで仲間入りできても、登場人物の中でいちばん混乱してあたふたして、でも見てるだけの人になってるんだけどね。
しかしまあ人には冷たい目で見られること多いんです、この読み方。まじめに読んでない!ってさ。ちぇっ。
なので補足しときますけど。この「わざわざ雑に読む」早読みは1度目、最初にその本を読むときに限ります。
2度目からはじっくりゆっくり、自分がともすれば読み飛ばしてしまっていた箇所を確認しながら読みます。そうすると2度目も楽しめるんですよ。お得だと思うんだけどなあ。