姫と太郎の賑やかなお家

姫14歳、太郎9歳。高機能広汎性発達障碍の子供たちとの賑やかな暮らしぶりを綴っていこうと思います。

新しい生活が始まります

2014-03-13 08:56:22 | 姫のこと
ご無沙汰しております。

姫の受験の結果は無事合格しました。

個人面接の時に過去のことを聞かれフラッシュバックを起こし
大泣きしてしまったそうです。
それでも「面接では相手の目を見て話すこと」という
進路指導の先生の言葉を守り泣きながらでも
先生から目を離さなかったのだそうです

そのためか「受かる気がしない」としょんぼり帰ってきました。
でも本当によく頑張ったと思います。
その結果が見事合格。

制服の採寸も済ませて後は入学前のオリエンテーションを待つばかり。

卒業式ではたくさんのお友達や先生方ととびきりの笑顔で写真を撮りました。
3年生のクラスは男女の仲が良く、明るく元気
その中に姫の笑顔もありました。
不登校の姫を温かく迎えてくれたクラス。
みんな本当にありがとう。

土曜日にはクラスの卒業打ち上げBBQがあるそうです。
誘われて「行ってもいいの?」と言う姫にクラスの男子が
「いいに決まってるやん。ってか来いよ!」って言ってくれたと嬉しそうに話してくれました。

4月から専修学校生となる姫ですが、部活は軽音部でボーカルをやりたいそうです。
そして7年続けたトランペットはというと私の先輩が所属する吹奏楽団に入団決定。
大忙しだけど充実した学生生活になりそうです。

おまけに私も30年のブランクを経てクラリネットとして一緒に入団
先輩からの説得に自分の「吹きたい」気持ちが重なり、
太郎の「母ちゃん、したいこととか好きなこと我慢するのは良くないんやで」の言葉に勇気をもらいました。

まさか姫と同じ舞台に立てる日が来るとは…
こんなに嬉しく素敵なことってあるでしょうか。

4月からの新生活へ向けてワクワクしています

先輩とお別れ

2013-03-18 17:07:21 | 姫のこと
昨日は姫の所属するクラブの引退式でした。

久々の部活だし、聞けば7:30集合、引退式にレッスン、合奏などハードなスケジュール
お昼過ぎには疲れて帰ってくるだろうと思っていたらなかなか帰ってこない…
太郎も「姉ちゃん、どうしたんやろう」と心配していました。
そしたら、なんと夕方6時過ぎ仲良しの先輩と一緒に
「ただいま~」と元気に帰宅
最後まで参加してきました。

引退する先輩からは
「いつも笑顔で挨拶してくれて嬉しかったよ」
「一緒に音楽出来て楽しかったよ」
「大好きだよ」
と嬉しいお手紙を貰って帰ってきました。

「Mさんが姫のこと覚えてくれてて『S先輩!』だって
後輩が1,2度しか一緒に練習できてないのに慕ってくれたのが嬉しかったようです。

不登校で大好きな部活にもなかなか参加できずにいた姫ですが
登校した時は笑顔で、部活の時は後輩の面倒もみていたのがわかりました。

部活に参加できない姫のことを後輩として可愛がってくれた3年生
姫を誘い続けてくれた同期生
姫を先輩と慕ってくれた1年生
そんな居場所を作ってくださった顧問の先生
皆さまにただただ感謝しています。

以前の記事にも書きましたが、学校全体が温かいんです。
姫のような子でも居場所があるんです。
こんなに有難いことはありません。
姫は高校でも部活は続けたいと思っていたようですが
あいにく姫の志望校にはありません。
でも、姫は音楽を止めないでしょう。

まずは4月から姫がどう動き始めるか…
少しずつではあるけれど自信を取り戻しつつあるように見えます。
昨日は初めて見た楽譜での合奏も逃げ出さず、手を抜かず頑張りました。
そんな姫の頑張りが少しでもみんなに伝わったでしょうか…
先輩たちへの感謝の気持ちが届いたでしょうか…

姫の努力が報われる日は近いような予感がします

卒業まで・・・

2013-02-27 21:44:49 | 姫のこと
ご無沙汰しております。
皆さま、いかがお過ごしですか?

先日、姫の来年度の校区外申請の面談がありました。
校長室で校長先生、担任、学年担当の女性教諭との面談です。

2学期になって学校に行けない日が続いていた為、ドキドキでした

まず、職員室の担任のK先生にお声を掛けさせていただくと
私の隣の姫を見て「お~、よう来たな。来れたか、良かった良かった」と姫を褒めてくだって
「じゃあ、校長室へどうぞ」と促され、姫は私のコートの袖にしがみ付き、校長室へ・・・

姫を見た途端、校長先生が「お!姫さんも一緒か!よく来たね」と満面の笑顔で迎えてくださいました。
姫も恥ずかしそうにしながらも「失礼します」としっかり入室時の挨拶ができました。

校長先生が「さて、姫さん、お母さん、単刀直入に申し上げます。
姫さんのことは卒業まで本校が責任を持って引き受けます」とキッパリ

「ありがとうございます!」という私の隣では姫もにっこり

「いや~随分とお二人とも緊張した様子なので最初にはっきりと言わせていただきました。
どうかな?姫さん、安心したかな?
そうだ!姫さんにはもう一つ、特別許可を出しましょう。
この部屋へいつでもいらっしゃい。挨拶だけでもいい、困ったこと、嬉しいこと何でもいい
ここへ来たいと思ったらいつでも来てください。
特別に許可しましょう。どうかな?これで学校での居場所が一つ増えたでしょう」

校長先生の配慮にただただ感謝です。

姫はその後、スクールカウンセラーの先生の元へカウンセリングに行きました。
後に残って私は先生方と今後についての相談です。

姫が進学したい学校を決めたこと、来年度もK先生に担任をお願いしたいことを伝えました。

先生方は少しでも昨年度より進歩しているのだから、来年度も焦らず見守りましょう。
そして、進学すればまたその先も必ず進歩するでしょうと仰ってくださいました。

先生方の温かい見守りがあってこそ
一生懸命に生徒と向き合う先生方がいる学校だからこそ
姫の今があると感謝しています。

「以前、カウンセリングに来た時に体育のU先生が授業を抜け出した先輩を全力疾走で追いかけていたと
姫がとても嬉しそうに話してくれたんです。
先生が全力疾走するとこなんか初めて見た。
本当にN中で良かったと姫が嬉しそうに話してくれたんです。
私もその話を聞いてとても嬉しかったです。
U先生も学年が違うのに姫に声をかけてくださるようで…
本当に先生方には感謝しています」と言うと校長先生が面白そうに

「ほぅ…U先生とは話せるのですか?」と身を乗り出してこられて

「今、私が考えているのは『姫さんが話しやすい教師が誰か』ということなんですよ。
これは、多ければ多いほどいい。
お母さん、他の教師の名前は出ませんかね?」

「他には養護のK先生、クラブの顧問のO先生、数学のM先生、学年主任のM先生でしょうか…」

「すばらしい!いいですね、これだけいるなら心強い!」と校長先生

私が呆然としていると「お母さん、入学当初『人見知りが激しい』と言っていた娘さんが
これだけの数の教師と会話が出来るようになってるんです。素晴らしいじゃないですか。
U先生は意外でしたが、接点がありましたかね?」

「U先生は仲の良い3年生のSさんの担任で、部活の移動の時にお手伝いに来てくださったり…
たぶん、Sさんから娘のことを聞いて気にかけてくださっているのかと思います」

「なるほど、それで繋がりましたね。
良いことじゃないですか。やっぱり彼女は進歩していますよ」

校長先生がそこまで気にかけてくださって、
私が挙げた先生方の名前を手帳に書き留めてくださって
この学校はこの校長先生の人柄そのものだと思いました。

担任のK先生にも良くしていただいています。
校区外なのに自転車でプリントを届けてくださったり
同級生からの連絡帳には
「風邪は治った?」
「熱は下がった?大丈夫?」
「姫、文化祭は見に来てね~」
「今、女子の間で流行っているのはデコシールだよ
など、書かれていて先生が姫の様子を教室で話してくださっているのが窺えます。
姫も連絡帳を見ては「今日はKちゃんからだ」とか
「姫が風邪ひいてるって先生から聞いたのかな」とか
まるで交換日記のように嬉しそうに見ています。

姫はこの頃、修学旅行は行けそうにないけれど、部活には行きたいと思っているようです。

3年生、最後の1年間…どんな1年になるでしょうか。
高校は1年ぐらい浪人しても構わないと思っています。
焦らず姫のペースで進んでくれればいいんです。

大切な友達と楽しい時間が過ごせるように祈っています。

卒業まであと1年…きっとあっと言う間でしょう。
姫の笑顔が増えますように


恐れていた二次障害、再び・・・

2012-12-09 17:33:19 | 姫のこと
姫の発達障碍が分かったのが4年前。
笑わなくなって、父親がひどく怒鳴り叱っていても無表情な状態。
児童精神科医のN先生から「乖離性障害を起こしかけてるな」と言われました。

そして今、本人はブログを始めたり、発達障碍について調べたりと前向きな所もあります。
2年生に進級して1学期は元気に登校できていました。
ところが、2学期になって体育祭の練習が始まった頃、
頼りにしていた担任の先生が忙しくなり、他の先生が姫の様子を見るようになってから
また不登校になってしまいました。

「怖い。先生がみんなの前に引っ張り出そうとする」

そして、起こしたフラッシュバック。

「先生、4年の時の先生に似てる。嫌だ。怖い。
話し方も、言うことも同じ。
『これくらいのこと、もう出来るでしょ』って言う。
体育祭の練習も見学しなさいって外に連れて行かれて見てたけど、
『コソコソしてかくれんぼでもしてるみたいに見学するのね』って言う。
出来ないよ。姫はまだ教室も学校も先生も怖いのに出来ないよ

それまではお遣いもしてくれて、気が向けば散歩したりしていたのに…

最近は家どころか、布団からも出ようとしない。

先日、主治医のM先生に会った時も「どうして外に出るのが怖いのか先生に相談してみる」と言っていたのに
先生と向き合って「どうしたの?」って聞かれたらポロポロと涙がこぼれて何も言えませんでした。
「じゃあね、今飲んでもらってる安定剤をちょっと替えてみようか。
少し不安や怖いことが増えちゃったみたいね。だから今日から違うお薬を飲んでみてね」

そして姫だけ退出させて先生と話しました。
「先生、あの子も鬱になっていませんか?最近様子がおかしくて気になっていたんです。
外に出るのを怖がるし、家にいても眠っていることが多くなっています」
「そうですね。鬱の可能性が高いです。ですから今日はそのための薬を出します。
でも、本人にそのことはまだ言わずにおいてください。
副作用で吐き気があるかもしれませんが、そのことも言わないでくださいね。
お薬はお母さんが管理してきちんと飲ませてください。
それで、一か月様子を見てみましょう」

せっかく順調に2年生に進級したというのに、よりによって鬱になるとは…

救いなのは担任の先生が「頑張るなよ」「大丈夫、去年より成長してるぞ」「無理はするな」と
プリントを届けてくださる度に姫にかけてくださる言葉。
校区外登校のため学校からは遠いのに、自転車で家まで来てくださいます。

発達障碍ゆえにその生き難さから起こす二次障害。
油断していました

今も少しご飯を食べたら「疲れた」と寝てしまいました

私は鬱であることを自覚し、治療していますが、姫には告知できません。
まだ14歳です。
その娘に発達障碍だけでなく、鬱まで受け入れろとはとても言えません。

保護者の方、学校関係者の方、もしこのブログを読んでくださったなら
発達障碍の子達の生き難さを少しでも理解して見守ってください。
姫のような子が増えないことを切に願ってこの記事を書いています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




こんな時に申し訳ありませんが・・・

2011-03-15 16:32:44 | 姫のこと
被災された方々、そのご家族、友人の方々に心からお見舞い申し上げます。
阪神淡路大震災の経験者として、皆様の心の痛みに少しでも寄り添うことが出来ればと思っております。


この時期に更新することにためらいはありましたが
姫の大切な日のことを綴らせてください。


13日、姫が4年間頑張ったクラブを引退しました。

前日に「先生と6年生のお母さん、役員のお母さんにお礼がしたい!
お母さん、作り方教えて!手伝って!」
そんなことを言い出して、仲良しのAKちゃんと一緒にマドレーヌを焼きました。

引退式の前日「自粛しなくていいのかな?」という声もありましたが
「こんな時だからこそ、聴きに来てくださった方が元気になるように」
との願いを込めて決行に踏み切りました。

4年間の色々な想いを胸に舞台を見守りました。
「このメンバーでの舞台は本当に今日が最後なんだね」
6年生のお母さん達と泣きながら見守りました。
6年生は7人だけ。
それでもとても仲が良くて助け合いながら頑張った1年間でした。

たくさんの拍手を貰って退場した姫たち6年生。
本当に最後までよく頑張りました。

式の後の茶話会は例年になく静かなものでした。
子供たちなりに被災された方たちのことを想っていたようです。

みんなからたくさんの「ありがとう」を貰った姫。
手紙もたくさん貰って嬉しそうに見せてくれました。
「姫、今までありがとう」
みんなからの気持ちを姫は嬉しそうに抱えて帰りました。

お母さん達からも「私達までプレゼント貰えたの初めてよ。
姫ちゃんもAKちゃんもホントに優しいね」と喜んでいただけて。

先生方からも「姫ちゃんはいつも縁の下の力持ちでした」と言っていただきました。

3年生のHMちゃんのお母さんが
「HMがね、姫ちゃんに花束を渡すって喜んでたの。
『姫ちゃんがHMに渡してもらおうかなって言ってくれた』って喜んでたの。
結局、先輩(5年生)が渡すことになってしまったってしゅんとしてたけど・・・
でも、どうしても姫ちゃんママに知っててほしかったのよ。
姫ちゃんがHMから花束を受け取りたいって思ってくれてた気持ちが、
姫ちゃんがHMのことをそんな風に思っていてくれたことが
HMも私もとても嬉しかったって、どうしても伝えたかったの」
と話してくださって姫が最後まで頑張って本当に良かったと思いました。

HMちゃんは姫を抜いて姫より上のポジションになったことをとても気にしていたみたい。
それも実力が姫より上かどうかもはっきり解らない状態でのことで、
HMちゃん自身が「姫ちゃんの方が上手いのになんで・・・」って気にしていたとか。
解らなかったり、出来ないところがあっても気兼ねして姫に「教えて」って言えなくて
じっと座っていたらしい。
他の子が「姫に教えてもらえば?姫は嫌なんて言わないよ」って姫を呼びに来て
姫も「HMちゃん、大丈夫?頑張れ!」って励ましながら教えていたみたい。

「HMは姫ちゃんが好きで、でも、怒ってるんじゃないか、
嫌われてるんじゃないかってずっと気にしてたの。
だから、姫ちゃんが大役をHMにって言ってくれたってホントに喜んでたのよ」


確かに姫はHMちゃんに抜かされた日にしょんぼりとして帰ってきて
「お母さん、HMに抜かされた」って言いました。
でも「お母さん、HMは3年やのにすごいと思わん?かわいいしさぁ」って笑ったんです。
私は思わず「姫、3年に抜かされて悔しくないの?嫌じゃないの?」って聞きました。
すると「う~ん、悔しい。でも、HMも苦手なパートにされて困っててかわいそうやった。
HMはさぁ前のパートの方が向いてると思う。その方が上手く出来てたし・・・
ずっと『どうしよ~』って泣きそうでかわいそうやったよ。
それでも、先生が決めちゃったし、HMも大変やし、教えてあげないと
って困ったように笑っていました。

1年間、姫はそんな調子で後輩の面倒を見続けてきたようです。

私はHMちゃんのお母さんに
「そんな風に言ってもらえて嬉しい。
姫もHMちゃんから花束を貰うのを楽しみにしてたんだけど、
5年生がどうしても!って聞かなかったらしくて…
HMちゃんがそんなに喜んでくれてたなんて知らなくてごめんね。
でもね、姫はHMちゃんが大変なのも、頑張ってるのも解ってたよ。
それにHMちゃんのこと大好きだった。
いつも『HMってかわいいよな~』って言ってたもん。
姫はHMちゃんも他の子もみんな、同じようにかわいかったのよ」
って言うと「ホントに?良かったわ~」ってやっと笑顔に


この日、姫の強さ、優しさを改めて感じました。

姫はちゃんと解っていたんです。

抜かした後輩が悪いわけじゃない。
抜かされた自分にも理由があった。
誰が悪いわけでもないんだから
頑張って練習するしかない。

姫は4年間頑張ってきたクラブを無事に引退しました。

「いつも優しかった姫。ありがとう」
後輩たちから姫への最後のメッセージです。

「姫~辞めちゃヤダ~ なんで姫は6年生なの~」と
最後まで姫にしがみついてたTKちゃん。
「わかった、明日も練習見に来るよ」粘り勝ちで姫に約束させてました。
その様子を見ていたTKちゃんママは「ごねんね、ホントにTKったら夜中にうなされてたの。
『姫~嫌だ~ずっとTKの傍にいてよ~』って
3年生のTKちゃん。そういえば、いつも姫の傍にくっついてました
「姫の制服、TKちゃんにあげるよ」と言うと
「いいの?姫ママ、ホントにホント?やった~!」って飛び跳ねて喜んでくれました。


泣いたり笑ったりの4年間、本当によく頑張りました