姫と太郎の賑やかなお家

姫14歳、太郎9歳。高機能広汎性発達障碍の子供たちとの賑やかな暮らしぶりを綴っていこうと思います。

こんな時に申し訳ありませんが・・・

2011-03-15 16:32:44 | 姫のこと
被災された方々、そのご家族、友人の方々に心からお見舞い申し上げます。
阪神淡路大震災の経験者として、皆様の心の痛みに少しでも寄り添うことが出来ればと思っております。


この時期に更新することにためらいはありましたが
姫の大切な日のことを綴らせてください。


13日、姫が4年間頑張ったクラブを引退しました。

前日に「先生と6年生のお母さん、役員のお母さんにお礼がしたい!
お母さん、作り方教えて!手伝って!」
そんなことを言い出して、仲良しのAKちゃんと一緒にマドレーヌを焼きました。

引退式の前日「自粛しなくていいのかな?」という声もありましたが
「こんな時だからこそ、聴きに来てくださった方が元気になるように」
との願いを込めて決行に踏み切りました。

4年間の色々な想いを胸に舞台を見守りました。
「このメンバーでの舞台は本当に今日が最後なんだね」
6年生のお母さん達と泣きながら見守りました。
6年生は7人だけ。
それでもとても仲が良くて助け合いながら頑張った1年間でした。

たくさんの拍手を貰って退場した姫たち6年生。
本当に最後までよく頑張りました。

式の後の茶話会は例年になく静かなものでした。
子供たちなりに被災された方たちのことを想っていたようです。

みんなからたくさんの「ありがとう」を貰った姫。
手紙もたくさん貰って嬉しそうに見せてくれました。
「姫、今までありがとう」
みんなからの気持ちを姫は嬉しそうに抱えて帰りました。

お母さん達からも「私達までプレゼント貰えたの初めてよ。
姫ちゃんもAKちゃんもホントに優しいね」と喜んでいただけて。

先生方からも「姫ちゃんはいつも縁の下の力持ちでした」と言っていただきました。

3年生のHMちゃんのお母さんが
「HMがね、姫ちゃんに花束を渡すって喜んでたの。
『姫ちゃんがHMに渡してもらおうかなって言ってくれた』って喜んでたの。
結局、先輩(5年生)が渡すことになってしまったってしゅんとしてたけど・・・
でも、どうしても姫ちゃんママに知っててほしかったのよ。
姫ちゃんがHMから花束を受け取りたいって思ってくれてた気持ちが、
姫ちゃんがHMのことをそんな風に思っていてくれたことが
HMも私もとても嬉しかったって、どうしても伝えたかったの」
と話してくださって姫が最後まで頑張って本当に良かったと思いました。

HMちゃんは姫を抜いて姫より上のポジションになったことをとても気にしていたみたい。
それも実力が姫より上かどうかもはっきり解らない状態でのことで、
HMちゃん自身が「姫ちゃんの方が上手いのになんで・・・」って気にしていたとか。
解らなかったり、出来ないところがあっても気兼ねして姫に「教えて」って言えなくて
じっと座っていたらしい。
他の子が「姫に教えてもらえば?姫は嫌なんて言わないよ」って姫を呼びに来て
姫も「HMちゃん、大丈夫?頑張れ!」って励ましながら教えていたみたい。

「HMは姫ちゃんが好きで、でも、怒ってるんじゃないか、
嫌われてるんじゃないかってずっと気にしてたの。
だから、姫ちゃんが大役をHMにって言ってくれたってホントに喜んでたのよ」


確かに姫はHMちゃんに抜かされた日にしょんぼりとして帰ってきて
「お母さん、HMに抜かされた」って言いました。
でも「お母さん、HMは3年やのにすごいと思わん?かわいいしさぁ」って笑ったんです。
私は思わず「姫、3年に抜かされて悔しくないの?嫌じゃないの?」って聞きました。
すると「う~ん、悔しい。でも、HMも苦手なパートにされて困っててかわいそうやった。
HMはさぁ前のパートの方が向いてると思う。その方が上手く出来てたし・・・
ずっと『どうしよ~』って泣きそうでかわいそうやったよ。
それでも、先生が決めちゃったし、HMも大変やし、教えてあげないと
って困ったように笑っていました。

1年間、姫はそんな調子で後輩の面倒を見続けてきたようです。

私はHMちゃんのお母さんに
「そんな風に言ってもらえて嬉しい。
姫もHMちゃんから花束を貰うのを楽しみにしてたんだけど、
5年生がどうしても!って聞かなかったらしくて…
HMちゃんがそんなに喜んでくれてたなんて知らなくてごめんね。
でもね、姫はHMちゃんが大変なのも、頑張ってるのも解ってたよ。
それにHMちゃんのこと大好きだった。
いつも『HMってかわいいよな~』って言ってたもん。
姫はHMちゃんも他の子もみんな、同じようにかわいかったのよ」
って言うと「ホントに?良かったわ~」ってやっと笑顔に


この日、姫の強さ、優しさを改めて感じました。

姫はちゃんと解っていたんです。

抜かした後輩が悪いわけじゃない。
抜かされた自分にも理由があった。
誰が悪いわけでもないんだから
頑張って練習するしかない。

姫は4年間頑張ってきたクラブを無事に引退しました。

「いつも優しかった姫。ありがとう」
後輩たちから姫への最後のメッセージです。

「姫~辞めちゃヤダ~ なんで姫は6年生なの~」と
最後まで姫にしがみついてたTKちゃん。
「わかった、明日も練習見に来るよ」粘り勝ちで姫に約束させてました。
その様子を見ていたTKちゃんママは「ごねんね、ホントにTKったら夜中にうなされてたの。
『姫~嫌だ~ずっとTKの傍にいてよ~』って
3年生のTKちゃん。そういえば、いつも姫の傍にくっついてました
「姫の制服、TKちゃんにあげるよ」と言うと
「いいの?姫ママ、ホントにホント?やった~!」って飛び跳ねて喜んでくれました。


泣いたり笑ったりの4年間、本当によく頑張りました

2 コメント

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Unknown (ひろ・はは)
2011-03-26 09:29:37
姫ちゃん、みんなに慕われていたのですね。
とても素敵だと記事を拝見させていただいて感じました。

これからも、素敵な姫ちゃんでいてくださいね

色々なこともあるけれど、乗り越えて行く力がまた成長の1部になって行きますので。

息子を見ていてそう感じています。
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ひろ・ははさんへ (てちはは)
2011-03-29 21:05:01
こちらにもコメントをありがとうございます

後輩たちが姫のことをこんな風に想っていてくれたこと、
姫が4年間頑張った結果だと思います。

HMちゃんのお母さんからの言葉で私も心の靄が晴れた気がします

この4年間がきっと姫の力になる。

ひろくんのように成長してくれることを願っています
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