姫と太郎の賑やかなお家

姫14歳、太郎9歳。高機能広汎性発達障碍の子供たちとの賑やかな暮らしぶりを綴っていこうと思います。

決まりました

2011-01-31 21:38:54 | 姫のこと
今日、姫の希望する中学校へ行ってきました。

校長先生にお会いしてお願いしました。

4年生の頃からのイジメのこと。
クラブでのこと。
T中に見学に行ってからとても不安定になってしまったこと。
そして、姫のこれからのこと。

「わかりました。
本校へ来ていただきましょう。
IM校長先生(小学校)からもお話は伺っています。
とても心配されていましたよ」と。

「ありがとうございます。
制服などは教育委員会からの通知が届いてからになりますか?」

「いえ、もうこの時点で決定とさせていただきます。
ですから制服などの準備も進めてください」
 
「いいんですか?」

「自分だけ準備が出来ていないというのはお子さんが不安でしょう。
少しでも早く安心させてあげないと。
お母さんもかなり緊張されていたのではないですか?
あとはこの書類を提出していただけば許可証が送られてきます。
それを持って入学式にお越しください」

「ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします」


校長先生、とても優しそうな方です。



その後、姫の担任の先生へ報告に小学校に行ったけれど先生方は研修中で職員室は空っぽ

教頭先生が「どうされました?KS先生(太郎の担任)に御用ですか?」と声を掛けてくださったので
「いえ、今日はWD先生に・・・N中へ行ってきました。
校長先生に入学を許可していただけたのでご報告に。
申し訳ありませんが、伝言をお願いしてもよろしいですか?」

「ああ、それなら先ほどN中の校長からお電話がありましたよ。
良かったですね
WD先生にはもちろん伝えておきます」

お言葉に甘えて教頭先生にお願いしました。

本当にたくさんの方に心配していただいて、支えていただいて有難いです。



そして、練習中の姫の所へ行って報告

「N中に決まったよ。校長先生がいいって言ってくれたよ」

「やった~


久しぶりの姫の笑顔です
練習中だし、どうしようかちょっと迷ったけど、
この笑顔を見たら「知らせに来て良かった~」って思いました。


ばぁばにも報告すると
「良かったわ~ T中やったら不登校になりそうやったもんね。
第一、あの子たちと同じ中学なんか心配で行かされへんよ」って


ばぁばは夜になってから姫に電話をくれました。
姫はとってもご機嫌で笑いながら楽しそうに喋っていました

電話の後でばぁばから
「元気になったみたいで良かったわ。かわいそうに不安で仕方なかったんやね」
ってメールが届きました。

昨日までとは別人のように元気になりました。

今度の土曜日は私が遅くまで仕事、太郎は父親の所に行くので姫はお留守番の予定でしたが
ばぁばが来てくれるそうです

「ばぁちゃんが二人でおいしいもの食べに行こうって
やったね!ご馳走、ご馳走



これからバタバタと入学準備をしなくてはいけませんが、
嬉しい時の忙しさは苦になりませんね








     
      

疲れ気味です

2011-01-27 18:46:27 | 姫のこと
卒業まであと2ヶ月を切りました。
公立の子も私立の子も進路が決まって一安心の中、
姫は校区のT中か姫が希望するN中か決まっていません。
姫は不安で仕方ないようです。
今月になってからは2年前のような状態が出始めて

癇癪はほぼ毎日
ケンカして太郎を叩く、蹴る、暴言を吐く
そうかと思うと無表情で座り込んで私の声も聞こえない様子

まずいなぁと思いながら様子を見ていました。

「中学が決まらないから?」
「セラピーの打ち切りを聞いた?」
「友達と上手くいってない?」
「クラブがしんどい?」

理由ははっきりしないけれど、私が思いつくのはこの4つ。

中学は今日、N中の教頭先生からお電話を頂いて
月曜日に校長先生にお願いに行くことになりました。
姫が帰ってすぐこのことを伝えたら
「行ける?」って
「まだ決まった訳じゃないよ。
でも、お母さん頑張って校長先生にお願いするから」と言っても姫の表情は硬いまま

セラピーの方は今日は私のカウンセリングだったので聞いてみました。
「最近の姫は2年前に戻ったように不安定になっています。
先生からセラピー打ち切りの話を聞いたのでしょうか?」と。

すると「いえ、実は前々回、とても心配な様子だったので話すのを止めたそうです。
お母さんの仰る通り、以前の姫ちゃんに戻ってしまったようで…
でも、急にではなく、11月末頃から少しずつ様子が変わっていってたようなんです。
やっぱり、中学のことがかなり辛いのかもしれませんね」

11月は辛いことがあった時期
大会メンバーに入れず大泣きしました。
T中のオープンスクールもありました。

カウンセラーの先生と溜息

「フラッシュバックを起こすようで、タロがケンカした時に
『死ね』とか『ウザい』とか言うと『T中を思いだすから止めてよ!』
『4年のクラスを思い出すから止めてよ!』とパニックになるんです」

「月曜日にN中に行かれたら今の状態を伝えた方が良いですね。
行く前からこれではとてもT中は無理でしょう

本当に何が何でもT中に行かせるわけにはいきません。
姫がまた壊れてしまう


クラブの件は、先生のやり方が理不尽なのか、姫がホントにその程度の実力なのか、
私が親の欲目で腹を立てているだけなのか・・・モヤモヤしていました。

でも、いろんな人に話を聞いてもらうと
「先生おかしいわ。姫ちゃんがかわいそう過ぎるわ。
そんな状態で姫ちゃんよく頑張るね」と言ってくださる方ばかりで

先日も個人レッスン中の姫を見て他の先生が
「姫ちゃん、上手いね~ここに来てからも上達していってるし」と言ってくださったので
「実は・・・」と今のクラブの状態をお話しました。

「それはあんまりでしょう!その先生、ちょっと問題じゃない?
姫ちゃんもそんな状態でよく我慢してきましたね。
姫ちゃんはいい先生に出会えたらきっと伸びますよ!
これからが楽しみです。
中学の顧問の先生がちゃんとした人なら必ず伸びるはずです!」

「でも、姫はもうクラブには入らないって言ってるんです。
ここでレッスンを受けるだけが良いって・・・」

「そっかぁ・・・でも、ここで自信がついたら「またみんなと一緒に」って思えるかも。
AY先生に頑張って教えてもらって、発表会で拍手を貰ったらきっと・・・
一人でも姫ちゃんならまだまだ伸びると思うなぁ。
よし!お母さん、頑張って姫ちゃんを育てましょう!楽しみだわ~」

こんな風に姫を褒めてくれる方がいてホッとしました。
思えば、この4年間姫がクラブを辞めずに頑張ってきたのも

「上手いなぁ。3年生でここまで出来る子はなかなかいないよ

そう言ってくれた前顧問のK先生の言葉を姫が信じていたから。

4年生になって辛いことが増えた時期に
「辞めてもいいんだよ」って言ったら

「だって姫は上手いってK先生、褒めてくれた」

本当にこのK先生の一言だけが姫をここまで頑張らせたんだと思います。

下級生から「ウザい」「姫になんか負けへんし」「姫が私より上なんかありえへん」等々
ひどい言葉を言われながらも、後輩の面倒を見続け、頑張ってきました。
今日も「15分しか自分の練習出来んかった。疲れた」と帰るなり

K先生の一言でここまで頑張れた姫
もし、もしもたくさんの人から拍手を貰えたら?

「姫ちゃんは必ず伸びます」

今度は私がこの言葉を信じて、姫の力を信じて強くならなくちゃ

堂々と舞台に立つ姫の姿。見てみたいです
親の欲目でなく、本当に姫にその力があるのなら開花させたいと初めて思いました。

そういえば、いつだったか特別支援教諭のNT先生が言ってたっけ

「姫ちゃんって『のだめちゃん』みたいですね」って


姫がどこまで行けるかはさておき、見てみたいんです。


「お母さん、姫、頑張って続けて良かったよ。とっても楽しいよ」って笑って舞台に立つ姫の姿










見守られて・・・

2011-01-26 22:03:34 | 太郎のこと
太郎がお友達に噛みついた件は一件落着です

相手の子のお母さんに
「タロがRYくんに噛みついてしまったそうで・・・
ごめんなさい。RYくんは大丈夫?」って謝りました。

RYくんのお母さんは少し驚いて
「あら?そうなの?RYからは何も聞いてないけど。
だから、きっと悪いのはRYの方やね
あの子が先にタロくんが怒るようなことしたのよ。
なんだかんだ言ってタロくんが好きなのにねぇ。
こちらこそ、ごめんね。
これからも同じようなことあると思うけど、
男の子だし、お互い様ってことで
と言ってくださって

本当にやっと肩の荷が降りました。
姫の時のことがトラウマになっていて、お友達とのトラブルを聞くと
過呼吸を起こしそうなほどにドキドキしてしまって

もちろん太郎には「腹が立つのは解るけど、噛むのは悪いよ」と教えました。

その後、先生にも最近の学校での様子を伺って。

「RYくんとのことは確かに仕掛けたのはRYくんらしいです。
そこは私が見ていなくて。
でも、子供たちから話を聞くとRYくんがかなりしつこかったみたいです。
ただ、翌日になってもタロくんがそのことを忘れられずにいて
また言い合いになって怒ってしまって。
まだ気持ちの切り替えは難しいみたいですが、
少しずつタロくんなりのクールダウンの仕方が出来ればと思っています」

クールダウン・・・太郎なりの方法が出来あがりつつあるようです

今日も一人でサポート室へ行ったけれど先生が不在で閉まっていたそうです。
「どこに行っていたのかはわからないんですが、しばらくして上手くクールダウンして『ただいま~』って帰って来てくれました」って。
学校から出なければと思ってくださっているようです。

「サポート室に行けることで気持ちの拠り所みたいなものが出来たのか、
教室でウロウロすることがなくなりました。
子供たちにもタロくんは気持ちがしんどくなってしまった時は
サポート室に行って元気になったら戻ってくるからねって話しました。
だから最近は『サポート室行ってきます』ってタロくんが言うと『いってらっしゃ~い』
戻ってくると『お帰り~』『ただいま~』ってやってますよ
というお話も伺うことが出来て

どうやら宿題のことも「勉強は学校でする」って思っているようです。
「宿題は?」って言うと「明日サポート室でするから」と言うようになって
「なんで家でも勉強なん」と癇癪を起して暴れていたところから一歩前進です。

確かに、前日の宿題は教室でやるとみんなに騒がれてやり難いけれど、
サポート室なら誰にも何も言われないですからね

先生も「それでいいですよ。そんな風に置き換えて出来るならそれで行きましょう。
お母さんも声掛けは大変かと思いますが、お願いします」と。

太郎なりのやり方で良いと言っていただけてホッとしました。

昨日と今日は本読みは家でしました。
算数と漢字のプリントは学校に持って行きました。
そのうちプリントも家で出来るようになるかも

定型の子のお母さんにとっては「あたりまえ」なことも
私にとってはな出来ごと

「すごいねぇタロ。二日連続で本読み出来たやん」って褒めまくり

姫が呆れて「お母さん、甘っ」って言うから
「だって~タロが自分から本読みしたんだよ。すごくない?」って言ったら
「なるほどね、タロが怒らんと本読み出来たんやからすごいんや
「そうよ!進歩したと思わん?」
「って言うか、いい加減にせな、お母さん、アザだらけになるし
はい、確かにそれも嬉しい理由の一つですが

とにかく、太郎のペースを見守っていただけて、こんなに嬉しいことはありません
このままの環境で過ごせるといいのですが

トム・ソーヤの冒険

2011-01-25 16:59:37 | 太郎のこと
昨日、太郎がかなり落ち込んで帰ってきました

「何かあった?」って聞いても返事はなし

気を取り直して借りてあったDVDを見ようと誘ってみました。
私が子供の頃に放送されていた「世界名作劇場」の「トム・ソーヤの冒険」
太郎もきっと気に入るはずと思って借りてきたんです。

太郎、笑いながら楽しそうに見ていました

そしてトムが叱られるシーンでポツリ

「タロ、トムの気持ち解るわ」

ハッとしました。
子供の頃、そんな風にこのアニメを見たことなかったなぁって・・・
ただ「おもしろい」とか「楽しそう」としか思わなかった気がします。

そうか、太郎はトムの気持ちが解るんだ。


そして今日、学校でトラブルが

昨日は同じクラスのRYくんとケンカをしたようです。
担任の先生が出張中で解決できないまま帰って来てしまったようです。
そのわだかまりが今日になっても解けず、またケンカになって
太郎がRYくんの腕に噛みついてしまったようです。
「服の上からだったので心配ないです」と連絡帳には書いてありましたが

話を聞こうにも太郎が帰ってすぐに眠ってしまったので、まだ聞けずにいます。
RYくんのお母さんにお詫びするのは太郎の話を聞いてからにしようと思っています。
私は太郎の母親なんだから、まずは太郎の話を聞かないと。

太郎はとても疲れたのか、帰ってすぐ寝てしまいました。

辛かったのかな?
しんどかったのかな?
悔しかったのかな?
先生に話を聞いてもらえたかな?

太郎の寝顔を見ながら色々と考えます。

明日は参観日なので先生とお話して、RYくんのお母さんに噛みついてしまったことを謝らないと。
噛みついたことは悪いこと、でも、噛みついた理由は?

3学期になって太郎が教室へ行きたがらないことと関係があるような気がします。
トムやハックのように自由にのびのびと、とはいかないようです。



今、姫も不安定な様子。
2年前の姫の姿と重なります。
太郎とケンカして叩いたり蹴飛ばしたりひどいことを言った後、
フッと表情が無くなります。
ペタンと座り込んでぼんやりとしたまま
「姫!蹴るのはダメやろ?」と怒る私の声なんか聞こえていないようです。
進学のこと、クラブのこと、友達のこと
姫も色々な問題や悩みがあるようです。

哀悼の祈りを・・・

2011-01-17 22:26:43 | 日記
今日、姫たちの小学校では地震を想定した避難訓練が行われました。
訓練の最後は迎えに来た保護者に引き渡し下校します。

あれから16年。
幸いにも生き残り、今も平穏に暮らしていることの有難さを感じています。

16年前のあの日を思うと胸が苦しい。
涙が溢れてきます。

あの日、私は助かりました。
私の両親も友人も身近な人はみな命は助かった。
そのことには感謝しています。

でも、みんな心に傷を負ってしまった。
幼馴染のTY君は目の前で友人を亡くしたと、助けられなかったと泣きました。
彼のそんな顔を見たのは初めてでした。

あの日、夜明けと共に目にした光景は・・・
変わり果てた街の姿。
見なれた街が一瞬で変わってしまったんです。
怪我をして血を流したまま歩く人を見た時、体が震えました。

あの地震で私は『人間』を見ました。
助け合い支え合うのも人間。
なりふり構わず我をむき出しにし、残酷になるのも人間。

それらのことを全て子供たちに伝えていかなくてはいけない。
頭では解っていても、子供たちに聞かれても、まだ話して聞かせることが出来ずにいます。

夜になって姫が真剣な顔でテレビの番組表を見ていました。
「何探してるの?何か見たい番組があるの?」

「見たいっていうか・・・お母さん、地震の日なのに地震のことやってない」

姫のこの言葉にハッとしました。
午前中は放送されていたようですが、
夜はバラエティやドラマがいつものように放送されていました。





さっき携帯に一通のメールが届きました。


「あの日から16年。
あの日の朝、一番に電話くれたよね。
毎年思い出すよ」


当時の職場の先輩からでした。

その先輩は足の不自由なお母さんと二人暮らしです。
お母さんはお嬢様育ちでとてもかわいらしい方です。
地震の朝、父が迎えに来てホッとした時、まっ先に先輩とお母さんを思いました。
「先輩のお母さんがきっと怯えてる。
もし怪我でもしてたら先輩一人じゃ無理だ」って思ったんです。
幸い実家は電話が使える状態で、実家から先輩に電話することが出来ました。
先輩の家の辺りは無事だったようで、いつもと変わらない声が聞けてホッとしました。

姫を授かって退職してもう13年にもなるのに・・・


私もあの時にたくさんの人の優しさに触れて、そのことは今でも覚えています。
でも、同時に怖かったことも思い出してしまって・・・

いつかきっと子供たちに話さなくちゃいけないと思います。
人の命の尊さと儚さ、生きる力。
そしてどんなときにも優しい人であってほしいと・・・


たくさんの人に助けられ、支えられて私はここにいます。


亡くなった方たちのご冥福を心からお祈りします。