ナマコは好きじゃない。
でも、尊敬はする・・・・生物学者 本川 達雄
「時間」は常に一定で不変なもの。そんな固定観念を、
著書『ゾウの時間ネズミの時間』で見事に打ち破ったのが本川達雄さんです。
生物学から見れば、ゾウの感じている時間と、ネズミの感じている時間は
違うのだと解説するこの本は、科学書としては異例の売り上げを記録しました。
「科学は、自然の見方、つまり世界観を与えるもの」と語る本川先生は
「生物の多様性」をどのように捉えていらっしゃるのか、お聞きしました。
本川先生の研究フィールドは、生物多様性の宝庫といわれるサンゴ礁ですよね。
----私はナマコを研究していますが、ナマコって砂の上にゴロンと寝てるだけ。
きれいでもないし何の芸もない。見てたっておもしろくもないし、好きにも
なれない(笑)。では、なぜナマコを研究したいと思ったかというと、
人間にとっておもしろいとか役に立つとか、そういう価値観で相手を選ぶ
ことに疑問があったからです。生物は、わかっているだけで180万種もいる。
これだけいれば当然、嫌いなものも、かわいくないものもいるに決まっている。そういうものを捨てて顧みなかったら、それだけ世界は狭くなる気がしますよ。
ぜんぜん理解できないし、美しくもないけど、確かに存在している。
そういうものを自分の中に取り込んでいく努力をすることが、ぼくらの世界を
豊かにすることじゃないかと思うんです。沖縄の瀬底島に赴任したとき、
毎日、海に浮かんで生物を見てると、生きものたちもこっちを見る。
生きものが体にしみ込んでくるような気がするんです。
研究室で飼うのとはぜんぜん違う。私はナマコの世界と、自分の世界を
同レベルのものとして捉えるという発想に達したかったです。
人間だけが一人、高いところにいて生物の世界を見下ろしているのではなく、
自分もone of themとして付き合うのが本当の多様性じゃないかと思うんです。
でも、尊敬はする・・・・生物学者 本川 達雄
「時間」は常に一定で不変なもの。そんな固定観念を、
著書『ゾウの時間ネズミの時間』で見事に打ち破ったのが本川達雄さんです。
生物学から見れば、ゾウの感じている時間と、ネズミの感じている時間は
違うのだと解説するこの本は、科学書としては異例の売り上げを記録しました。
「科学は、自然の見方、つまり世界観を与えるもの」と語る本川先生は
「生物の多様性」をどのように捉えていらっしゃるのか、お聞きしました。
本川先生の研究フィールドは、生物多様性の宝庫といわれるサンゴ礁ですよね。
----私はナマコを研究していますが、ナマコって砂の上にゴロンと寝てるだけ。
きれいでもないし何の芸もない。見てたっておもしろくもないし、好きにも
なれない(笑)。では、なぜナマコを研究したいと思ったかというと、
人間にとっておもしろいとか役に立つとか、そういう価値観で相手を選ぶ
ことに疑問があったからです。生物は、わかっているだけで180万種もいる。
これだけいれば当然、嫌いなものも、かわいくないものもいるに決まっている。そういうものを捨てて顧みなかったら、それだけ世界は狭くなる気がしますよ。
ぜんぜん理解できないし、美しくもないけど、確かに存在している。
そういうものを自分の中に取り込んでいく努力をすることが、ぼくらの世界を
豊かにすることじゃないかと思うんです。沖縄の瀬底島に赴任したとき、
毎日、海に浮かんで生物を見てると、生きものたちもこっちを見る。
生きものが体にしみ込んでくるような気がするんです。
研究室で飼うのとはぜんぜん違う。私はナマコの世界と、自分の世界を
同レベルのものとして捉えるという発想に達したかったです。
人間だけが一人、高いところにいて生物の世界を見下ろしているのではなく、
自分もone of themとして付き合うのが本当の多様性じゃないかと思うんです。