2月15日午後2時から兵庫県後期高齢者医療広域連合の2月定例議会が神戸市三宮のセンタープラザで行われました。
このたびは、2年ごとに改定される保険料の条例改正案や平成28年度の予算案など13件の議案が審議決定されました。
養父市の藤原敏憲議員が議案に対する質疑をしました。
私は保険料値上げの条例改正案と後期高齢者医療特別会計予算に反対の討論をしました。また、低所得者の保険料軽減特例廃止と保健事業について一般質問をしました。
議案13件のうち2つの議案は賛成多数でその他は全会一致で可決されました。
私の反対討論の要旨は次の通りです。
私は、議案第10号 兵庫県後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例制定の件および議案第13号 平成28年度兵庫県後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療特別会計予算に反対の立場で討論をします。
後期高齢者医療制度は、年金生活者や低所得者が多い75歳以上の高齢者を、それまで加入していた公的医療保険から引き離し、別立ての医療制度に囲い込み、負担増と差別医療を押しつけるという世界でも例のない制度となっています。政府がその根本的欠陥に目を向けず、制度を存続させていくことには問題がありますし、医療費と高齢者の増加により限りない負担増がせまられることになります。
75歳以上の高齢者は収入が限られてしまい、厳しい生活状況にあります。その高齢者の命にかかわる後期高齢者医療制度では、制度が当面存続する以上、保険料の負担を軽減し、医療を受けやすくすることが鉄則ではないでしょうか。ところが平成28年度、29年度の保険料の改定案は、均等割り額を年額で現行の47,603円より694円引き上げ、48,297円に、所得割率を現行の9.70%より0.47ポイント引き上げ、10.17%にするという案であります。
被保険者1人あたりの年平均保険料は現行の77,414円より305円下がって77,109円になるとされていますが、平成26年度の所得が高かったこと、5割、2割軽減の対象者が増えること、2年前の改定が大きかったことによるものとの説明がありました。
保険料が上がるのは医療給付費の増加と後期高齢者医療負担率が10.73%から10.99%に引き上げられたことによるものです。保険料を抑制するために前年度までの剰余金を積み立てている給付費準備基金111億余から73億円を取り崩すことにしています。
一方、兵庫県が積み立てている財政安定化基金は55億円ありますが、兵庫県に対して基金を保険料抑制に使うことを要望して協議してきたけれど今回は広域連合の基金を取り崩して保険料を抑えることができるため、県の基金は使わないことになりました。
収入によりましては、保険料が下がる世帯もありますが、9割、8.5割軽減の低所得者や平均的な厚生年金受給者などは引き上げになります。これらの人を含め、県の財政安定化基金を活用することにより、保険料は抑えることができたのではないでしょうか.このままでは、収入の限られた高齢者の負担は重くなるばかりであります。
また、保険料の普通徴収の対象者の多くは、月額1万5,000円以下の年金受給者もしくは介護保険料との合算で、年金の半分を超える方であり、無年金、低年金の方々であります。保険料を滞納している人たちに対して、資格証や短期保険証の制度がつくられました。病院窓口で全額負担となる資格証明書の発行はされておりませんけれども、有効期間が短い短期保険証の発行が行われております。有効期限が切れているにもかかわらず、保険証が手元にないということで、医療機関への受診が遅れることになる可能性もございます。滞納者から保険証を取り上げないようにするとともに、滞納者に対しては特段の配慮を行い、相談活動など生活全般を支援する対応で、保険証がなく医療が受けられない高齢者がないようにすべきであります。
高齢者に冷たい現行制度の弊害を少しでも軽減するには、高齢者の実態把握に努め、保険料軽減などの取り組みが必要となります。75歳以上の高齢者の実態をきちんと把握し、高齢者の困難軽減に力を注ぐこと、健康診査の受診率向上や人間ドックの助成の充実を求め討論といたします。