gooブログを始めて3年目に!

60歳の3年生ブロガーです。よろしくお願いします。

令和の「運命の人」?

2022-02-11 19:00:00 | 日記

きのう発売された週刊誌のトップ記事は、役人の不倫と闇営業に関することでした。9年近く営利企業が主催するセミナーの講師を役所に届け出ることなく務めていたこと、全国紙の既婚女性記者のマンションで一夜を過ごしたりすることがあること、当該役人が関係する法案の報道はこの全国紙がリードしていること、などが主な内容です。

記事を読んで真っ先に思い浮かんだのが、山崎豊子著『運命の人』です。2012年には木本雅弘が主演してテレビドラマ化もされています。そして、この本のもととなったのが「西山記者事件」といわれています。

新聞記者Xは、沖縄返還交渉に関して日米間の密約の存在を裏づける秘密文書の写しの持ち出しを外務省事務官Yに執拗に迫り、職務上知ることができた秘密を漏らすことをそそのかしたとして、国家公務員法違反として起訴されました。

当初は世論も密約について日本政府を強く非難していました。また、他の新聞社も「言論の自由に対する国家権力の介入だ」と闘う姿勢を見せていました。

しかし、X氏とY氏が不倫関係にあることが週刊誌で報道され、起訴状でも「ひそかに情を通じ、これを利用して」と記載されると状況が一変。週刊誌に新聞批判のキャンペーンをされたり、テレビのワイドショーで二人の関係が報じられたりし、密約の有無に関する追及が色あせてしまったのです。

最高裁の判決でも、「Xの取材行為は、その手段・方法において法秩序全体の精神に照らし社会通念上、到底是認することのできない不相当なものであるから、正当な取材活動の範囲を逸脱しているものというべきである」として有罪が確定しました。

X氏が所属していた新聞社の政府に対する闘い方が間違っていた、という意見があるそうです。勝訴する方法があったかどうかはわかりません。密約の有無が問題にされなくなったことだけは事実です。

冒頭に記した法案が今度どのようになるか、私には全くわかりません。ただ、問題のすり替えにより本質的な議論がされないようにはなってほしくありませんね。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿