北海道言友会 公式ブログ

吃音者(どもる人)でつくるセルフ・ヘルプ・グループ 北海道言友会

2021年 4月19日のマンデーナイト吃音カフェの報告~合理的配慮をどう使う?~

2021-04-21 15:43:40 | 活動案内

テーマ:合理的配慮をどう使う?

 風の冷たい夜。レインコートのフードを被って歩くと結構我慢できる。こんな中、参加して下さった皆さん、ありがとうございます。今回は、お約束のラーメンを買ってきました。麺とスープで160円。ちょっとだけお駄賃をいただきました。ごめんなさい!
 さて、今日は後から後から人が集まって、テーブルから溢れてしまいました。この写真の説明を一言。今回は、ラーメンの麺とスープのセットを提供するので、お菓子はありませんと言っていました。それでは寂しいでしょうという事で、ご常連さんからの差し入れをいただきました。美味しいお菓子でした。また、出張に行った際に珈琲豆を買ってきましたと差し入れをいただきました。それがこの写真です。次回、珈琲は提供できると思います。皆さんのお話は、例によって南の編集で。

▢就職と障害者手帳
・僕は障害者手帳を取ったんですよね。今使おうというのではなく、何かあったら出そうと思って。
・水戸黄門の「引導」ですね?「これが目に入らぬか」みたいに。
・ちょっとお待ちを。「印籠」です。「引導」を渡すと大変です。
 ※ここで、笑いと、ポカーンが混じっています。明らかにポカーンが多い!
・障害者手帳を使うという事は、吃音の事を分かって欲しいから。
・そこで、普通の雇用か、障害者雇用になるかですけど、あなたの目指すのはどちらですか?
・何か違うんですか?

・私には吃音がありますので、障害者雇用でお願いしますというのがありますね。
・賃金は同一労働、同一賃金ですから変わらないですよね。
・変わります。普通の人と同じペースで同じ仕事は出来ませんから、障害者雇用を選ぶので、同一労働にはなりません。どちらがいいですか?
・私は通常の雇用で働きたいですね。


▢合理的配慮をどう使う?
・私は音読で苦労しました。学校で、音読が出来ないって言っても良いんですか?受け入れてもらえますか?
・基本的には学校は児童生徒から要望が出されたら検討しなければなりません。その上で、とてつもない費用がかかるとか、合理性を欠く要求でない限り、要望を受け入れてくれると思います。ただし、学校教育は「かくあるべき」という考え方が強いところ。
 例えばみんなの前で音読をしなさいと言われたとします。音読が出来れば良い訳で、先生と1対1で読んでもOKなはずですし、どうしても無理なら、一人で録音をして、それでも読める事が証明できればOKですよね。ただ、今のところは先生の裁量のようなところがあると思います。そうではなくて、要望に基づいて「音読はしなくてもよい」、「日直は避けても良い」、「日直は隣の子と二人でやっても良い」、「受験の面接に際して、吃音があるので、時間的な事を配慮していただきたい」、「吃音を理由に不合格とならない様にお願いしたい」等々の要求を出すことができます。特に吃音に関する医師の「診断書」や言語聴覚士が書いた「配慮事項を書いた文書」を持って話すのは大事です。証拠が残ります。
・音読が難しい高校生が、先生にメールを送りたいので、文面を一緒に考えてくれと言われた事がある。まあ、「私個人としては頑張っているのですが、吃音があるために、上手く読めない事は誠に残念です。どうぞご配慮ください」みたいな文面になりました。
・そんな事が出来るなら、やりたかった。
・私も音読が嫌で嫌で学校を休んだことがある。合理的配慮をしてもらえたら休まなくても良かったのに。
・配慮と合理的配慮との違いは?
・特別扱いは嫌だっていう方がいましたよね。例えば「彼は電話が上手くできないから、周りが気を遣って彼に電話を取らせない様にしてください」というのは、「本人抜きの配慮」特別扱いだと思います。合理的配慮は、本人と雇用側(本人と人事部、学生と教授、生徒と先生等々)との話し合いがあって、双方納得して行われるのが「合理的配慮」でしょう。「私に関わる事を私抜きで決めないでください」という考え方と同じです。
・私は求めたくないですね。自分で何とかやりたいと思います。
・それでいいと思います。これはどの方法が正しくて、どの方法が間違っているという事ではないです。人それぞれの生き方ですから。この道を選んだからといって否定されるような事ではないと思います。「私はこうやっていこうと思います」、「ああ、いいですねえ。私はこっちの方でやって行こうと思います」っていう事ですよね。


▢自己紹介
・今年の春から大学生になりました。今はリモートの週です。結構しゃべるアルバイトもしています。
・大学3年生になります。家庭教師のアルバイトをしています。
・今年の4月からIOT関連の会社で営業の仕事をしています。お客さんと話す時が結構大変です。
・大学で、今卒論に取り掛かっています。菊池良和さんの「合理的配慮」という本を読んで、まとめて発表しなければならないので、大変です。
・営業をしています。お客さんに商品の説明をしなければならないのが大変です。
・営業をしています。ルート営業が主なので、あまり困っていません。そして、困るような場面では馴れ馴れしい話し方をするようにしています。「御請求書をお送りいたします」と言うべきところを「請求書出しておきますね」みたいにしています。
・今就職先を探しています。派遣登録をしているんですけど、連絡が来ません。
・なんだかイベントが中止になったりで、募集が少なくなっているようですね。

※自己紹介は一生に何十万回も、何百万回もする事になるものだと思います。服装、歩き方、仕草、目線。でも「自己紹介で自分の名前もちゃんと言えないとね・・・」、「あまり時間がかかるのもね。さっと終わらないかな」、というような同調圧力は常に存在します。そういう圧力の中で戦いながら、吃音のある人は生きて行かなければなりません。ですから、日々戦っている仲間からの情報、経験談、求めて得られる助言は宝物です。また来週もカフェを開きます。どうぞ皆さんのお話を聞かせてください。
※新型コロナ感染予防対策のため、マスク・カフェをしています。4月17日(土)~5月14日(金)まで、市民活動サポートセンターでは食事ができません。コーヒーを含む水分補給は大丈夫です。提供する飲み物にはキャップをしていますので、それを取らずにお楽しみください。香りが分かりにくいので残念ですが。私はアルコールアレルギーがあるので、石鹸で手洗いを何度もしています。皆さんもどうぞ十分にご注意なさって、いらっしゃって下さい。
※次回は4月26日(月)午後7時~9時。その次の5月3日(月)は休日ですので、午後5時~7時になります。いつもより2時間早くなります。参加費100円(お菓子付き)、珈琲は200円(時価は別)、その他の飲み物は100円です。どうぞ、気軽にご参加ください。

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