いちご農家の祖父の家では、どんぶり一杯のいちごに砂糖と牛乳をたっぷり入れて食べてます。聞くと50年ほど前に、この地域でいちごの露地栽培が流行ったらしく、当時のイチゴは酸っぱかったからそうやって食べてたんだとさ。ハウス栽培が広まって露地栽培農家がどんどん姿を消していく中、祖父は今も露地かつ無消毒でいちごを栽培しています。これって結構とんでもないことなのです。
株分けというかランナー分けを続けて半世 . . . 本文を読む
「本物はどこだ」
彼は自分を疑っていました。自分のやることなすことは演技的で、感情を吐き出すのはそれにより何か利を得たいと思う時で打算的。イライラして叫ぶのも、悲しくて泣くのも、感情を落ち着かせる為であり、何より自分がまともであるということを確認する為。感情を吐き出す前に、複数ある理性のシグナルを見て、全てが青信号になってゲートが開くことで始めて感情を表に出す。彼は、自分に嫌悪感を持っていました . . . 本文を読む
「新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「若干遅いですけど、はい、今年もよろしくお願いします」
「今日が仕事始めだったからね、会う人みんなに言ったよこの挨拶。長い。めんどい」
「そこは風習ですから我慢しましょう。でも明けまして云々は面倒だから、今年もお願いしますだけでいいと思います」
「さて思い返せば新年に関するイベントを特にやっていなかった気がします」
「同 . . . 本文を読む
「今年も初日の出を見なかったなぁ」
「ここ数年ずっと見てませんよね」
「完全に眠っていた。そもそも、年越しから日の出まで6時間とちょっとしかないってのがおかしい」
「新年から何言ってんですか」
「俺は7時間は寝ないと耐えられない。つまり日の出までに起きるなら年越し前に寝なきゃいかんし、その逆もしかり。完全なデッドロック状態」
「ただの我がままです」
「日の出の時間を変える訳にはいかんか . . . 本文を読む