あともう少しだけ

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読書感想文 「ウォーリーを探せ」を読んで

2014-11-15 17:47:11 | コラム
私はウォーリーが嫌いでした。口角を不自然に吊り上げた笑顔。メガネの奥にある瞳孔が開ききった瞳。自己顕示欲の臭いがする派手な紅白のボーダー。一目で気の狂った様な雰囲気が見て取れました。そもそも「探せ」って。命令ですか?あんな気色の悪い人間、頼まれても探したくない。それが私の率直な感想でした。何をしでかすのかわからない人間が普通の人混みの中にいるシチュエーションなんて、嫌悪の対象以外何物でもありません。だから「ウォーリーを探せ」をしっかりと読んだのは、今回が初めてでした。
1枚目を開くと、すぐ見つかりました。おなじみのあの表情。そんな目立つ格好で隠れているつもりなのかと突っ込みを入れてやりたくなります。2枚目、3枚目と彼を見つけていき次第に没頭していく中で、ふと気が付きました。他の登場人物が誰も彼のことを見ていない事に。集団の中で彼の存在は無視されていたのです。そもそも彼があんな派手な格好をする理由は何なのだろう?そう考えて、私は思い至りました。彼はさみしかったのではないか、自分を見てほしかったのではないか、だからこその奇抜な格好だったのではないかと。そして最後のページを開いて、私は自分の予想が正しかったと確信しました。ページ一杯に広がる、無数のウォーリー。たくさんの似たような人間がいる中で「本物の僕はここにいる」と、彼の叫びが確かに聞こえました。世の中にはたくさんの人がいるけれど、それでも自分を見つけてほしい。それは自分の存在を承認してほしいという誰にでもある欲求です。彼は現実に生きる私達と一緒なのだ。そう思った時、彼は私の敵ではなくなりました。最後に本物のウォーリーを見つけ、私は安堵感と彼への愛おしさを感じました。よくも知らずに散々けなしてしまってごめんなさい、ウォーリー。
こうして改めて彼のことを知りたくなり、ネットで検索したところ、ウォーリーは殺人犯だと知りました。やっぱりウォーリーは気狂いで糞野郎でした。これからは自分の直感に自信を持ちたいと思います。


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1 コメント

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Unknown (ゆらん)
2023-08-11 08:41:17
ウォーリーは殺人犯ではありません。それは都市伝説です。あまり噂を信じるのはやめましょう。
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