東野圭吾さんの最新作です。コロナに関する描写も多く、まさに昨年のうちに書き上げたことが一目でわかります。
<あらすじ(抜粋)>
謎を解くためなら、手段を選ばない。コロナの時代に、とんでもないヒーローがあらわれた!
名もなき町。ほとんどの人が訪れたこともなく、訪れようともしない町。けれど、この町は寂れてはいても観光地で、再び客を呼ぶための華々しい計画が進行中だった。多くの住民の期待を集めていた計画はしかし、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。町は望みを絶たれてしまう。そんなタイミングで殺人事件が発生。犯人はもちろん、犯行の流れも謎だらけ。当然だが、警察は、被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。いったい、何が起こったのか。「俺は自分の手で、警察より先に真相を突き止めたいと思っている」──。颯爽とあらわれた〝黒い魔術師〟が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、犯人と警察に挑む!
登場人物にそれぞれ特徴があり、どの人物も犯行の動機がありそうな感じがした。その中で真相を探したのが、主人公の真世の叔父にあたる〝黒い魔術師〟こと武史だった。
マジシャンの特技を生かした手法で様々な人物を欺き、殺人事件の謎を解いていく。結局犯人は暴かれることになったのだが、僕にとって全く想像していない結末になった。一瞬僕の想像していた人が疑い持たれたときは「やっぱりな」と勝ち誇っていたが、そこから急転したときは完全にやられた気分になりましたね。殺害に至るまでの流れについて全て納得のできる内容であったが、犯行の動機はちょっと軽率すぎたなと思ってしまいました。そういえば、見落としてるかもしれないがラーメンの件は伏線回収あったっけ?
さらに面白いのがエピローグで、事件とは別の伏線を見事に回収した部分である。その描写は事件とは全く関係ないと思い普通に流していたが、まさかここに繋がるとは思ってもみなかった。そして最後がどうなったかは読者に委ねるという結果になったのも面白いポイント。俺はメール自体がフェイクで両方ともハッピーエンドになるという結末になるだろうと見ているが、もしかしたら違う結末を想像している人もいるかもしれないね。
コロナとの向き合い方も忠実に再現されているし、生半可な気持ちでは結婚はできないということも感じさせられた。コロナ禍に悩まされている今だからこそ気づかされる部分も多いと思うので、時間があれば読み進めることをお勧めする。
じゃこの辺で
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