決して後味の良い内容ではありませんでしたが、結末が読めず最後までハラハラドキドキで読み進められました。
あらすじ(抜粋)
世界初の脳移植手術を受けた平凡な男を待ちうけていた過酷な運命の悪戯!脳移植を受けた男の自己崩壊の悲劇。
平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。
脳移植により一命をとりとめたものの、それまでの生活が戻ってくるわけではなかった。かつての自分が徐々に失われていく状態で生き続けることが果たして正解なのか、考えさせられる部分は多かった。
成瀬にとって不慮の事故が同情を誘うだけに、何としてもハッピーエンドで終わらせてほしかったと願っていた。ただ願い叶わず、失ったものが遥かに大きく、結局関わった人間誰もが幸せになれなかったんじゃないかな。成瀬によって助けられた少女や家族も、こんな結末を望んでいたわけではないし。
最後は成瀬純一らしい結末を迎えられたと思っている。自分の彼女を愛する気持ちが残っていたから、最後は彼女を守るという判断ができた。勇気があっても簡単にできない判断だったが、過去を清算するには致し方ないといえる。
読み終わった後もすっきりとしない気持ちだけが残ったが、自分自身を見直すきっかけにはなれたかなと思っている。自分の脳を支配されることは今後ないだろうけど、自分の心を見失わずに、関わった人すべてに感謝の気持ちを忘れずにいたい。
じゃこの辺で
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