Takekida's log

千里の道も一歩から

フランスに学ぶ出生率と就業率の関係

2016-04-09 21:53:16 | Books

フランス人ママ記者、東京で子育てする
クリエーター情報なし
大和書房


日本でも少子化対策を勧めようとしてはいますがうまくいっていないのが現状です。2014年の出生率は1.42。先進国の中ではフランスが特に大きな成果を上げていて出生率は2.01人とむしろ人口が増加する方に動いているというのが驚くべき事実です。この数値はヨーロッパ全体の1.5程度という値に比べても突出しています。この理由として政府からの子育て家庭への支援の厚さ(子育て支援金、幼保の無料化)というのが指摘されているわけですが特徴的なのは女性の就業率も高い=80%ということでしょう。つまりフランスの女性は仕事と育児を見た目には両立しているように見えるわけです。ただフランスの大臣(フルール・ペルラン)の言葉を借りれば「そんなことはもともと無理」なんだそうだ。
ではいったいということになりますが完璧を目指さず頭で考えすぎずにやれる範囲でやるというのがフランス流の子育ての様子でそんな考え方と母親は働いて当然という社会的な後押しもある様子。出生率と就業率が比例するというのは一見不思議にも思えますが「二兎追わないと二兎得られない」ものなのでしょうし母親の精神的なものもからも働いていた方がストレスがたまらず(?人によるかもしれませんが)育児に取り組めるのではと推察します。

そんな子育て先進国のフランスの女性が日本人男性と結婚して日本で子育てをしたらというのかこの本です。
筆者は先日紹介した「嫁はフランス人」の妻の方でAFP通信の日本特派員である方です。夫が漫画家ということもあり、両立環境には恵まれているところなのかもしれませんがフランスの文化と日本の子育て事情とのぶつかり合い?というのがこの本の見どころです。

日本とフランスの違いを考えてみたとき上記のような支援制度の違いもありますが
日本人はある意味まじめ過ぎるためにきちんとしすぎてしまいその義務感が母親を縛って動きにくくしているのではというのが一つの指摘で鋭いところかと思いました。
フランスでは手の届かないところは外注できるシステムが整っているとのこと。日本でいう保育ママの役割のヌヌーが普及しており
ヌヌーに預けて夫婦だけの時間を過ごしたりとかそういうことも一般的なようです。子供が生まれても仕事もしかりですが自分お時間をしっかりと持っているというのも
一つのポイントなのでしょう。またビズーなどそもそもが愛情を大切にしている文化というのもあります。
なかなか社会的な背景は変えていくのが難しいところですが今は大きな転換点かとは思うのでまた10,20年スパンでは日本も変わっていく可能性はあるのではと思いました。

そんな出生率上位のフランスにもおむつ替えの場所がないとかベビーカーが邪魔扱いされるとか問題はあり。また保育、医療の質に関しては日本の方が高いということで良いところばかりではないというのはわかったので少し安心?しました。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2016年春の犬山祭 | TOP | 木曾三川チューリップ祭り »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Books