暇と退屈の倫理学 (新潮文庫) 文庫 –國分 功一郎 (著)
人間が感じる暇と退屈に関して哲学的な観点で考察した本。2022年2月の時点で東大や京大の生協の本屋さんでベストセラーになったとのこと。大学生は人生の中でも最も時間に余裕がある(個人的にはそう思っている)時期だとは思うのでこういった課題に対する向き合いが大学生の共感も集めたのかなとは思います。内容は自分としても目に鱗でいろいろ悩んでいたことが少しすっきりした気がします。
なぜか夢をかなえてしまっても幸せは感じにくい理由
退屈がどうしても許せない理由
暇をつぶさざるを得ない理由
人間は元来定住生活に慣れていない、いまいち掃除が得意でない理由
などの疑問に対して筆者の考察が突き刺さってきます。旅行に行ってもあくせく動き回ってしまうのが常ですがやはり人間に備わった本能に基づくものなのでしょう。そして暇と退屈を感じるのは人間としての性であり、自らを身体的な苦痛/刺激を受ける状態に追い込まざるを得なくなっているというのは何となく皮肉なことです。 自分はこの暇と退屈に対する耐性が低いのかなと個人的には感じますがそれもまた持って生まれたものでうまく付き合っていければと思います。
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