Takekida's log

千里の道も一歩から

とんび

2013-06-01 13:41:27 | Books
早くも梅雨入りです。その分早く梅雨明けしてもらうことを期待したいと思います。

とんび (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう―。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。
日曜劇場で実写化された重松清さんの小説です。
一言で言ってしまうと不器用な父親の物語ということになるのでしょうがどちらかというと寡黙なというより猪突猛進というような言葉が似合う父親の話です。時代背景としても戦後の昭和の父というのはこんなイメージなのかもしれません。自分の親のイメージからいうとやはり少し違うのですが昭和というとこのくらいの勢いがあってしかるべきなのかと思います。中身自体は親と子供の成長に伴う成長のドラマでグッとくることが多い内容でした。 
 あらすじにあるようにヤスさんは父子家庭になるのですが周りのいわば他人に近い人たちのサポートの厚いこと。これもまた昭和の時代ではふつうのことでであるからこそやってこれたということもあるのだと思います。今の時代は特に都市部では人間関係はきはくになってしまい、父子家庭になったらほぼ親族のみがたよりということになってしまうのかと。昔は子供は地域や社会で一体となって育てる時代だったのかと思います。これから高齢化社会になることで直系の親族同士だけでなく子供と高齢者という個の接点がうまくできるようにしていけば社会全体としてうまく回っていけるような気がします。 
(子供ずれで高齢者に声をかけられることも多いということは関心がある人は多いと思うので世話や遊びといった子育てサポーターとしての役割を担うことはできるのではないかと思います)本筋とは関係ないですがそんなことを考えさせられた本です。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バースト -人間行動を支配す... | TOP | 世界最小の・・・ »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Books