Takekida's log

千里の道も一歩から

組織文化はあなたの行動に現れる

2021-01-17 00:52:55 | Books
Who you are ベン・ホロウィッツ 
 元奴隷ながらハイチ独立に奮闘したルーベルチュール、江戸時代の繁栄を築いた武士道、異文化を融合させて最強集団を作ったチンギスハンの事例などを通じて学んだ組織における最強の文化の作り方について解説した本。筆者の指摘しているように偉大な文化があっても、偉大なチームを作れるわけでなく。プロダクトがダメなら、文化が優れていても企業は失敗するのは事実。それでも文化を気にすべきなのは、人間の記憶に残るのは会社の業績でもなく、時にはプロダクトでもなく、会社の気風や気質だからだ。継続性という観点からはそこからみんなの目的意識が生まれるわけでいわば木の根っこに当たるようなものだからなのだと思います。筆者は経営者として資金ショートや解雇など修羅場を経験してきたことからその実感も込められた内容となっています。
 組織文化というと「価値観」なのだと思われやすいのですがそうではなく「行動規範」であることが明確化されています。つまり「文化は行動によってのみ示される」ということ。文章化されていたとしても、いくら言葉で言っていたとしても行動として伴わなければ文化は醸成できないもの。結局、リーダーが率先して実践し、自らが文化を作らなければいけないというのがこの本のタイトルの由来になっています。自身の価値というのは自身が居ない場でどのように言われているかで決まるという指摘が出てきますが… まさにその通り。後ろ指をさされてしまうような人には力学として表面的には従っていても文化なんてものは出来ないのでしょう。文化を浸透させるためには自らの行動がいかに一貫しているか、その文化の原則に従った「行動」がとれるのか、文化から逸脱したものを排除できるかにかかっているのだと言えそうです。
 うれしかったのが上記のような文化について武士道、葉隠、五輪書など日本発の倫理観が取り上げられていることです。改めてこの倫理観の簡潔さや人生感に対する普遍性が評価された結果ではあるのですが灯台下暗しで学ぶことは足元に転がっていることを認識させられます。
 この内容は会社や仕事だけにとどまらず家庭で子供に対しても身につまされることがあります。言っていることと行動がずれていないか?行動の中にこそ真実はあるのだと言い聞かせて前に進んでいこうと思います。

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