Takekida's log

千里の道も一歩から

私塾のススメ

2008-06-07 23:58:11 | Books
今日は良い天気だったものの休日出勤。その分、朝は1時間の持久走。 夜はSWIMで追い込みましたがやはり全盛期とくらべると同じ感覚で泳いでも100mで5sec落ちぐらいなのが悲しいところ。

量を稼げない分、集中した練習がパフォーマンスアップの鍵になるはずです。

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))
齋藤孝 梅田望夫
筑摩書房

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これまた先週に続き「ウェブ時代をゆく」、「ウェブ進化論」の梅田望夫さんと文学部の教授「声に出して読みたい日本語」の著者である斉藤孝さんの対談です。

本書のテーマは「学ぶこと」それも一過性のことでなく生涯学習という意味合い。
変化の大きい時代であるからこそ常に学び続けて成長しなくてはいけないのだけど自分の「志向性」に合った学び場をどこから見つけていけばよいのか?というのが主題。

私塾というのは幕末の緒方洪庵の適塾や松田松陰の松下村塾のような志を一つとして集った環境の概念。 塾を率いる師の熱い「学びへの情熱」が塾生の心を熱くし団結を強めていた「私塾的関係性」を現代においても実現したいという「私塾願望」を持っているのがこの二人の共通点とのこと。

不安定で先が見えない世の中で自分自身の人生をデザインしていくのは非常に難しいことですが少しばかり「見晴らしの良い場所」に立つ人の意識を共有させてもらうことでもやもやとした道の中から人生をデザインし確信を持って一歩を踏み出せる手助けになるはず。

■志向性の共同体
・自分の求めるスタイルを見つけるために先ず自分の目標とする人の気に入った部分の生き方を切り取ってきてシンクロさせる(ロールモデルを消費する)。そのことによって逆に自分の個性が出る。
・自分の個性というのは自分の中で見つけるものではなく外界との関係性で形作られる。
・ウェブが出来たことで私塾のような志向性の共同体の形成は比較的簡単になった。教育の現場でも同学年内という狭いコミュニティだけでなくウェブを通じて「憧れのベクトル」が探せても良い。
・リーダーとはポジティブな空気が作れる人。言葉の端々、Blogにもその人の空気が出てくるので志向性感知アンテナを働かせればその人を推測することが出来る。


>Webの中でも日本人は匿名が多かったり、色々な距離感でWebと接する人がいるので志向性の共同体というのは難しい面もあるのかもしれないければ昔と比較すればはるかに敷居が低くなったと思う。ただFieldが広がった分ぴったりの場所にたどり着くのは難しいのかもしれない。


■憧れと習熟
・梅田さんが上位層を伸ばす方に志向しているのに対し斉藤さんは教育者としての底上げを目指している。斉藤さんはどのようなレベルの人間でも「伸びること」を体感させることを目的としている。
・モチベーションに対する底上げには 
 あこがれ=すばらしい体験をえさにする
 習熟=やってみたら出来るようになるという限定的成功体験をさせる
 の2本柱が必要。
・Blogでの反応というのはある意味、喝采体験に近い。そのポジティブな反応によってモチベーションが上がることが多い。

>自分はどちらかというと全体のレベルをかさ上げするような教育者には向かないのかもしれない。憧れと習熟の大切さは自分も非常に同感する。そうでなければ今この場所にもいなかったはず。Blogもその延長で始めたのかもしれない。

■ノーといわれたくない日本人
・自分の人生を3年、5年、10年といった期間で考える。その機関で所属した組織のアイデンティティをものにしてくる。組織に与えるものが与えられるものを上回った時に組織を去るというのは一つのロジック。自分の嗜好性と組内での可能性がうまくマッチングできれば夢も実現できる。
・どれだけオプテイミズムで新しいことにチャレンジできたかで経験値が決まる。
・変化の大きい時代であるからこそ自分の志向性と仕事の内容を合わせることが大切。一生懸命になれる仕事でないとその道のプロにはなれない。

>組織のアイデンティティを獲得する、研究室でいえば教授先生の思想、精神を身につけておくということだろうか。まだ今の組織では与えられるものの方が多し。

■幸福の条件
・ビジョン。アイディア。スタイルの3つの概念を大切にする。生活も作品になる。
・生活の豊かさと幸福度はなかなか一致するものではないが志向性の共同体で学んでいくことが幸福になる一つの道になる。

>幸福というのは難しいけど気心の知れた仲間と入れるというのは一つの道だと思う。
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