共鳴する未来-データ革命で生み出すこれからの世界- 富田裕章(著)
いくら使っても無くならない資源であるデータ。そんなデータの適切な活用(平均値でなく個別活用)こそが、一人ひとりが、多様な価値観を受け入れあいながら、豊かに生きることを支える原動力となっていくことを考えた時の課題である「データは誰のものか?」「多元的な価値を可視化する仕組みは根づくのか?」「個人の自由や選択肢は、データの共有によって狭められないか?」についてデータサイエンティストである筆者が論じた本です。筆者は医療分野関連のデータ活用について主に紹介されています。
●データは誰のものか?、個人の自由や選択肢は、データの共有によって狭められないか?:
GDPRなど個人情報保護の方向に動く動きがある一方で中国などは国家の性質上データを強力に活用できる立ち位置にあるのは事実。データは利用してもデータそのものはなくならないことからデータはその性質上、所有財というより共有財であるという考えで個人が特定できないように信頼活用できる環境が望ましい。ただ医療側面からいえば感染症など個人情報がある程度徳的出来るほうが公共の利益になる場合もあり… うまい線引きが必要。
●多元的な価値を可視化する仕組みは根づくのか?:
これまでは信用はお金で一部が肩代わりされていた(保証金や勤め先、年収など)これからは信用がスコアリングされることでお金を肩代わりする可能性が出てきている。人々は自発的にスコアを上げるような道徳的な行動をするようになるはず。データにより多元的な価値を共有することができれば、生き方のデザインを変えることができる。「生きる」の再発明となるのではないか?
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