Takekida's log

千里の道も一歩から

ZEN

2008-08-17 23:15:27 | Books
今日は非常に湿気が少なく暑いものの快適な一日でした。
久しぶりにまったく冷房の助け無しで寝れそうです。

MBA老師のサラリーマン説法 (ソフトバンク新書 (081))
井上 暉堂
ソフトバンククリエイティブ

このアイテムの詳細を見る


MBA取得者でビジネスに関わる身ながら禅宗の老師(臨済宗僧侶の最高位)を拝命している方の書いた禅の精神をビジネスに生かそうという趣旨の本。それにしても筆者の経歴には驚かされる。10代は暴走族に参加していたり、ボクサーとして挑戦してみたり、新聞記者をしてみたり、渡米直前に交通事故を起こしてみたりと傍から見れば波乱の人生。そんな中でも10代から禅寺に通ったことが筆者の人生を大きく形作ったのではないかと思います。禅の世界での言葉を例えとして筆者の経験を交えながら教訓を語るというようなスタイルで書かれています。

そういえば中高の6年間は寮生活で毎日、夕礼の時間では座禅をしていました。
完全に無心には慣れていなかった記憶がありますが確かに自分の一日を整理するきっかけになっていたような気がします。

以下、これはと思ったのを抽出してみました。

■勤、将に拙を補う
 決して余暇を楽しむために、豊かな生活を楽しむために働いているわけではないく働くことは人格形成の一つである。仕事に恵まれないことはあるかもしれないが割り切るのでなく仕事に全霊を傾けることが生きがいを追求することにつながる。
■無所得の行
 自分の損得勘定で考えるのではなく自分の周囲も含めて最善の結果になるように動くことが結局として自分のためになる。 企業だとチームで課題に取り組むことが多く個人での業績というのはさらに薄くなるので特に重要だと思います。
■名利共に休す
名誉欲、物欲、財欲を断ち切ることで自由になれる。
大晦日で毎年リセットしている筈なんですが…
■自灯明・法灯明
自分の生き方、存在こそが自分の進むべき道を照らす明かりになる。
きつく言ってしまえば自己責任とのこと。
■回光返照
他人に向けていた光を自分に向けることで新たな発見があるということ。
他人の考えに頼るのではなく自分が大切とするもの価値と考えるものをしっかり掴んでおくことが必要。
■法下著
今まで背負ってきた過去、前歴、肩書きを捨て去ってしまい「素」の自分に戻ること。過去は助けにも足かせにもなる。進むべき道に迷った時は過去を断ち切ることも大きな助けになる。
■啐啄同機
生まれで出ようとするものと手助けするもののタイミングがぴったり合うこと。
手助けも恋愛もタイミングが大事。
■木鶏鳴子夜
周りの状況に惑わされて鳴かない強い鶏が木で作った鶏のようであるとのたとえ。
虚勢を張ったり威嚇したり惑わされているようでは本当の強さを身につけたとはいえない。人間でも無我無心で人のために尽くせるのが人格者といえる。
■水至れば渠成る
水が流れればその後には溝が出来る。同じように自分の歩んで後には一筋の道が出来る。あせることなく一歩づつ歩んでいけばよい
■明珠掌にあり
明珠=仏心は誰にでもある。言い換えれば個性や個人の能力にもあるわけでそれを磨くことで明るい光を放てるということ。
■桃李言らざれとも下自ずから蹊を成す
桃や李は別に語りかけはしないが綺麗な花を咲かして果実を身につけるので人が集まってくる。同様に誠実清廉で人徳が備わっていれば自己を吹聴しなくとも人が集まってくるということ。

 
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« iPS細胞 | TOP | まずは質問から »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Books