毛 ~生命と進化の立役者 (光文社新書) 稲葉 一男
脳とか内臓器官に比べて「毛」というとサブの役割でしょと思ってしまいますが実は毛が無ければ生命もなかったということがわかる本です。ただここで取りあげられているのはkらだの外のものではなくあくまミクロな細胞の毛のお話です。 生命が生まれるきっかけとなる精子も鞭毛を使って卵子を目指すわけでまさに生命の動力源。毛の中にはダイニンと言われる分子モーターがあり、このダイニンは9本のパイプとして毛の中に内包されてます。さらに毛の中には中央に2本のシングレット微小管が通った構造となっていてまさにMEMSのような微小構造。こんなものが進化の初期段階で生まれてきたからこそ生命が繋がっているわけですが不思議なものを感じます。そして人間の器官内にある数々の毛は正に立役者。見たり、においをかいだり消化したりといったあらゆる器官の役割も毛がなければ成り立たないとのことでここまで普段意識できていないものがすごい働きで体を支えているというのは驚きです。 まさに毛深きならぬ奥深き毛の世界です。
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