本日はスキーの全盛期、1987年に発行されたスキー書籍のバイブル「極楽スキー」をご紹介いたします。バブル時代のスキーヤーにとっては、映画「私をスキーに連れてって」と共に語り草の一品です。価格は当時1,280円でしたが、現在はアマゾンさんで中古本が4,000円以上で売られており、プレミアムも付いています。
今回は書籍の中でも特に興味深い必読のコンテンツを5つご紹介いたします。一部の紹介ですので、更に読み込みたい方は購入いただき、ニヤニヤ笑っていただければ幸いです。
「極楽スキー」の必読コンテンツ 5つ
①西武グループの野望
当時の西武グループ(プリンスホテル等)は苗場やニセコを始め国内27か所のスキー場を運営し、スキーリゾートを牽引していました。興味深い記事は、その発展形として、志賀、万座、苗場をロープウエイで結ぶスーパースキー・ネットワークの構想です。
構想の地図も紹介され、見ているだけでワクワクします。現在の苗場と田代を結ぶドラゴンドラはその一部だと思います。当時の苗場には日本のスキー人口の1/5が訪れていたそうです。
②ゲレンデ・ミシュラン
書籍発行会社に設けられた評価委員会が評価した国内38か所のスキー場の結果が紹介されています。評価基準であるコース、雪質、景色、設備、客層、施設他計10項目に基づく評価結果で本格的です。
ちなみに、☆☆☆は「奥志賀・焼額」と「ニセコ」の2箇所のみで、八方は☆☆、苗場は☆、尾瀬岩鞍は☆なしでした。
③スキーコラム
スキー関連のネタが数多く書かれています。興味深い記事は、先ずスキー場の改名研究で、集客のための改名履歴が紹介されています。例えば「アサマ2000」は「高峰高原スキー場」だったそうです。
ゲレンデへのマック(マクドナルド)の導入ネタでは、新幹線座席にある簡易テーブルがリフトに付いていてリフトに乗りながらマックを食べるアイデアが書かれていて笑えます。
スキー場バイトの損得研究ネタでは、採点表があり、総合得点1位はパトロール、2位はインストラクター、3位はスーベニアショップ店員と続きます。
④スキー業界事情通
当時のスキー関連の用具メーカー、流通業界のネタが書かれています。スキー板やブーツのメーカー別供給量順位の紹介記事があり、当時の板のトップブランドはヤマハ(ロシニュールは2位!)、ブーツはなんと2位のノルディカを抑えグローヒルがトップでした。
また、ヴィクトリア他スキーショップ別のスキーヤーのライフスタイル分析もユニークです。
⑤ゲレンデ・リフト学
1日券と高速リフトがスキー場経営を変えた記事が書かれており勉強になります。1日券を初めて販売したスキー場は苗場で、これによりリフトの架け方も変わった記事やクワッドの出現によりスキー場利用者が大幅に増えスキー場の収益も増えた記事等が書かれています。
当時のリフトの建設費は1,500mのクワッドで6億円、2,000mのゴンドラで10億円前後だったようです。
巻末に付録で付いていたシールです。
以上、書籍のほんの一部をご紹介しましたが、非常に興味深いスキー関連のネタが豊富に書かれており、今読み返してもかなり面白いです。
興味をそそる絵や写真、データ等が沢山盛り込まれています。興味のある方は是非ご購入の上ご覧ください。損はしないと思います。ちなみに当書籍には1989年版の続編もございます。
この本の存在を初めて知りました。
「スキー場のネットワーク構想」、夢のある素敵なストーリーですね~。私もバブル時代を体験してみたい。