ずるっぴきそば、ずるびきうどん
以前、つくば市の旧谷田部町のエリアに住んでおられる方から、その地域のおそばの食べ方で、そばを茹でた汁ごと食べる『ずるっそば』『ずるっぴきそば』という食べ方があると聞いたことがあります。
茹でたてのそばを水で締めず、そのままお椀に入れて、そばの茹で汁にそばツユを少々加えたものを入れて、食べるのだそうです。
『好みが分かれる食べ方なんですけどね・・・』とおっしゃっていました。
その話を聞いて、家で打った手打ちそばを『ずるっぴき』そばにして食べてみたら、優しい味で『これもあり!』と思った思い出があります。
そば自体が美味しいと、麺自体の美味しさに加えて、ゆで汁(=そば湯)も美味しいので、まずい訳がない!と思います。
その後、市内のとある有名なそば屋さんで、イベント食だったのかもしれませんが、地元のそばの食べ方ということで、『ずるっかけそば』を提供しているという記事を読み、『やっぱり、ずるっかけそば』はあるんだ!と思った記憶あります。
さて、同じく生まれも育ちも旧谷田部町の友人に、『ずるっぴきそば』について聞いたら、その食べ方は知らなかったとのこと。
また友人はご主人にも聞いてくれて、ご主人も幼少期から旧谷田部町に住んでいたけれど、知らないとのこと。
同じ旧谷田部町でも、やはり地域やご家庭によって、そのような食べ方をしたりしなかったり・・・というのは、あるのですね。
ただし、ご主人のおばあちゃんが、茹でたうどんに醤油をかけて食べることを『ずるびき』と言ってたそうです。
更にご主人の先輩(生まれも育ちも旧谷田部町)によると、『うどんを水に晒さず、茹で汁に鰹節や醤油をかけて食べるのを「ずるびき」と言う』とのこと。また『うどんは良く食べたけど、そばはあまり食べない』とのことでした。
同じ地域でもいろいろあるみたいですが、それでもまとめると、そばやうどんの食べ方の『ずるっぴき』『ずるびき』には、どうも少なくとも
① ゆで汁のまま、もしくはゆで汁に、そばつゆや鰹節や醤油等をに加えて、食べる。
② ゆでた麺に、醤油などをかけて食べる。
があるような感じでしょうか。
調べると他にもバリエーションがあるかもしれません。
(おまけ情報)旧谷田部町では『うどんに醤油をかけて食べることを 「地獄」と呼んだ』おうちもあったという情報も一緒に頂きました。そうすると、上の②は『地獄』になりますね。でもどうして「地獄」か? 調べると奥が深い気が
ところで、最近、『観光いばらき公式ホームページ』https://www.ibarakiguide.jp/
の中の『いばらきの名物料理』のページ
https://www.ibarakiguide.jp/gourmet/famous_food/ibarakifood.html
に『新しい名物料理』ということで、『いばらき乙女のずるびきうどん』
という料理が紹介されています。
https://www.ibarakiguide.jp/gourmet/famous_food/zurubiki_udon.html
この『いばらき乙女のずるびきうどん』のサイトによると、『するびき』の名の由来として、
『家庭では家族や友人たちと食卓を囲み、茹で立てのうどんを鍋から箸で「ずるずる」と自分の汁へと引っ張り、食していました。その様子からこのうどんを「ずるびきうどん」と呼び、家族の団欒には欠かせない存在でした』
と書かれています。
なお、同サイトによると、『いばらきずるびきうどん』を名乗るには、
『茨城県産の豚肉と白菜、そしてミニトマトを使ったつけ汁を使うこと。基本、塩仕立てとし、白菜の手に入らない季節には白菜漬けや茨城県産の夏野菜を使うこと』と定義づけられていて、それを守りながら、県内のいくつかの店舗で、それぞれ工夫されたメニューの『ずるびきうどん』が提供されているようです。美味しそう♪
詳細は上記のサイトをご覧になって頂くとして、こちらで提供されているうどんの食べ方は、つゆや具材に様々な工夫とバリエーションがありますが、総括すると『つけうどん』の食べ方と言って良いかと思います。
そうすると、『ずるびき』『ずるっぴき』という そば や うどん の食べ方には、少なくとも
- ゆで汁のまま、もしくはゆで汁に、そばつゆや鰹節や醤油等をに加えて、食べる。
- ゆでた麺に、醤油などをかけて食べる。
- つけ汁につけて食べる(つけそば、つけうどん)。
の3つがありそうです。
茨城県内の『ずるびき』『ずるっぴき』の呼び方と食べ方の分布、知りたいなぁと思っています。
『自分のところではこう食べるよ!』『こう呼ばれているよ』という情報をお持ちの方、是非、ご教示下さいませ
でもまずは、観光いばらきで紹介されている『いばらきずるかけうどん』、味もいろいろあるようなので、提供しているお店で食べ比べしてみたいですね♪
(市川)